文化 歴史の小窓(240)~学芸員のメッセージ~

■奈良時代の暮らし「役人の身だしなみ」
現在、皆さんは制服やTシャツ、ジーンズ等を着ることが多いと思います。また職場など公的な場ではスーツなどを着ることもあるでしょう。奈良から平安時代の役人にも公服というものがあり、勤務する際の服装は律令(りつりょう)で規定されていました。服装は位が高い人から紫、緋(あか)、緑という順に色が決められており、服の色で身分が一目瞭然となっていました。またベルトも着用しており、ベルトは衣服と同じく身分を示す重要な要素でした。
野洲市の北部合同庁舎のあたりからは公服に付属するベルトの飾り(腰帯具(ようたいぐ))が見つかっています。四角いものを巡方(じゅんぽう)、丸いものを丸鞆(まるとも)、先端につけるものを蛇尾(だび)と呼び、奈良時代のはじめころは金属製でつくられました。写真左側(写真は本紙参照)のものの上3つは銅製、下の白っぽいものは石製で、主に六位以下の下級貴族や一般官僚が身につけたものと考えられます。
これらの服を着る昔の人はどんな気分だったでしょうか。ひょっとしたらスーツを着て職場に向かう現代の人と、ベルトを締め職場に向かう昔の人は同じ気分だったのかもしれません。
下記の企画展では今回紹介したベルトの飾りや近隣市の出土文化財、画像記録もあわせ、古代から中世にかけて野洲川下流域の村々がどのように変貌し、人々の暮らしがどう変わっていったかを紹介しています。ぜひ、ご観覧ください。
(博物館学芸員 渡邉貴洋)

■秋期企画展「野洲川下流域の暮らしの変貌-発掘調査にみる古代・中世-」
会期:開催中~11月24日(振休) 午前9時~午後5時
(入館/午後4時30分まで)
※会期中の休館日…月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日
※市民は入館無料(運転免許証やげんきカード等をご提示ください。)

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