- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府福知山市
- 広報紙名 : 広報ふくちやま 2025年12月号
■「琥珀(こはく)製丸玉」
所蔵:福知山市教育委員会
琥珀は数千万年~数億年前、地上に繁茂していた様々な樹木の樹脂が土砂などに埋もれて化石化したもので、いわば「樹脂の化石」です。宝石としても鉱物ではなく植物に属するものとして極めて珍しいものです。その産出地は限られていて、日本では少量産地は北海道から九州まで散在しますが、主要な産地は岩手県久慈市、福島県いわき市、千葉県銚子市など数えるほどしかありません。
日本では琥珀は約2万年前の旧石器時代から装飾品として使用されていました。以後、数は必ずしも多くはありませんが、古墳時代まで主に首飾りなどの装身具として勾玉、棗玉、丸玉など様々な形の玉に加工されたものが発掘調査で出土しています。
福知山市内でも琥珀製品の出土遺物は数例にとどまりますが、福知山公立大学が位置する段丘上にあった武者ヶ谷1号墳(5世紀前半から中頃)では、埋葬施設内から琥珀製の丸玉2点が出土しています。被葬者とともに副葬品として埋葬されたもので、勾玉、管玉、ガラス小玉とともにまとまって出土していることから、琥珀製の丸玉2点は首飾りの一部であると考えられます。その大きさは2点とも径8mm前後で、色調は劣化により本来の輝きを失い、くすんだこげ茶色をしていますが、当時は美麗な色調を呈する産地限定の非常に貴重な素材であったと思われます。
近年、出土琥珀の原産地が科学的に分析され、琥珀の流通・交易について研究がされていますが、近畿地方に主要な琥珀の産地がないことを考慮すると、武者ヶ谷1号墳から出土した琥珀製の丸玉も近畿地方以外のどこかの地域から素材もしくは製品として搬入されたものと考えられ、被葬者がどのように入手したのかが気になるところです。
残念ながら、武者ヶ谷1号墳から出土した琥珀製の丸玉は科学的な分析がされておらず、原産地などについては不明ではありますが、機会があれば、科学的分析を行い、原産地を確認したい貴重な出土遺物です。
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