- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府福知山市
- 広報紙名 : 広報ふくちやま 2026年1月号
2025年8月6日、旧福知山信用金庫本店が新たに国登録有形文化財(建造物)に登録されました。今号ではシリーズ「収蔵資料紹介」をお休みして、新たに国登録となった文化財を紹介します。
■旧福知山信用金庫本店が国登録有形文化財に
字中ノにある旧福知山信用金庫本店は、1928(昭和3)年に建てられた鉄筋コンクリート造の2階建建物です。同金庫の前身は22(大正11)年に発足した「有限責任福知山信用組合」(初代組合長は片岡久兵衛)で、字鍛冶から移転する際に新築されました。
建物の外観にはいくつか特徴があり、そのひとつが2か所ある出入口上の庇(ひさし)や半円形の窓台をアクセントとする3つの細長い窓、その両外側にある3か所の縦長の窓が左右対称になっている点です。また、縦長の窓は低い2階建ての小さな建物を高く見せるデザインでもあります。
さらに建物の外観を細かく見ていくと、2つの出入口両脇の柱の上部には縦向きの直線プリーツ状のデザインを用い、1階と2階の窓の間には菱形の幾何学的な装飾も使われています。2014(平成26)年に改修工事が行われていますが、外観のデザインは当初のオリジナルのまま継承されています。
また、出入口の木製ガラス扉から中に入ると、4段の花崗岩(かこうがん)の階段があり、壁面の腰部分には緑色のモザイクタイルが貼られています。内部は改修されていますが、天井を貼らず、高さ4・3mある広々とした空間はかつての銀行の営業室を偲ばせます。
明治維新ののち、福知山は中丹地域における金融の中心でした。伝統的な町家が多く残る福知山の旧城下町エリアにおいて、昭和初期の銀行建築はこの旧福知山信用金庫本店の建物を含めて2棟しか残っていません。
旧福知山信用金庫本店は現在菓子店舗として活用されています。古い町家が残る福知山城旧城下町の中では異彩を放つモダンなデザインですが、近代の福知山の繁栄を伝えるとても重要で貴重な建物です。
