- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府宇治市
- 広報紙名 : 宇治市政だより 広報うじ 令和7年5月1日号
■関西パビリオン・京都ゾーンに出展
◆朝日焼 宇治の土でつくり 宇治茶の文化と共に
▽生活の中にある工芸
朝日焼は、宇治の土味(つちあじ)を活かして作っているため、独特の斑点模様が最大の特徴です。また、宇治のお茶の文化に合わせて歴史を刻んでおり、約400年前から宇治の土を使った陶器のお抹茶の器を、約200年前からは煎茶の色合いをより綺麗に見せられるよう磁器の器を作っています。
工芸は人々の生活の中にあってこそ意味があると考えています。大阪・関西万博では、IHの技術やAIの技術と掛け合わせた朝日焼の展示を予定しており、現代の生活の中でどのようなことができるのか模索する姿を見ていただきたいです。
▽宇治の魅力を感じてほしい
先々代である祖父が、1970年大阪万博のパビリオンで使用する茶碗を提供したご縁があり、私も大阪・関西万博で何かさせていただけたらという想いがありました。大きな節目の一つとしてこの機会を大切にしたいです。
近年、海外からの需要も増えてきています。大阪・関西万博では、「朝日焼」だけでなく、宇治の魅力を知ってもらい、宇治に来る人が増えればと期待しています。
◆有限会社南條工房 音色を守り残していく
▽仏具おりんを作り続けて
南條工房は鳴り物・神仏具を約200年作り続けている工房で、代々祇園祭の鐘や仏具のおりんを作っています。一般的な真鍮製のものと違い、私たちが作る「佐波理(さはり)おりん」は、基音(きおん)という芯に残る音に揺れが無くまっすぐで澄んだ音色を奏でます。自分たちにしか作れない音色を守るため、昔ながらの配合・工法を守っています。
▽音の可能性の広がりを
近年は、純粋に音色を気に入っていただき、海外の方からの需要も増えてきています。大阪・関西万博では、佐波理から奏でられる澄みきった音色を多くの人に実際に体感していただき、音の魅力について伝えられる機会になればいいと思っています。訪れた方それぞれの使い方を見つけていただきたいです。
■京都ゾーン 食「お茶の時間」 宇治茶のふるまい等を行うブースを出展
ブースでは、亭主が客人にお茶(抹茶と玉露)をふるまってもてなすという、古より受け継がれる「日本式お茶のおもてなし」を体験できます。期間中は、宇治市農林茶業課やお茶と宇治のまち歴史公園「茶づな」の他、宇治田原町、京田辺市、和束町が出展を行います。
■校内から出た剪定枝などを会場のベンチに 万博エコ・ベンチ・プロジェクト
「未利用間伐材、枝・葉・樹皮を活用したベンチ」を大阪・関西万博の会場に設置するというプロジェクトに槇島中学校生徒会が賛同。生徒会が中心となり、用務員が切り落とした枝を粉砕機に運び込みチップ状にし、また取り組みを市内の幼稚園や小・中学校にも呼びかけ、協力の輪を広げました。チップを固めて作成されたベンチは、万博会場内に設置されています。
■未来モノづくり国際EXPO 2025
大阪・関西万博の関連事業として、産業を支える優れた製品・技術・ソリューションを一堂に紹介する未来モノづくり国際EXPOに、宇治市の企業が合同出展します。
日時:7月16日(水)~19日(土)
場所:インテックス大阪(大阪市住之江区)
◇出展企業(五十音順)
問合せ:産業振興課
【電話】39-9621
■様々なかたちで参画
◆メトロウェザー株式会社 風を「見て」空の安全を守る
▽風という見えないものを見える化
私たちの「ドップラー・ライダー」は、空気中に浮遊する微細なチリに、人体に無害な赤外線レーザーを照射し、その反射波を受信することで、最大半径15km圏内の風向き・風速を三次元で測定できます。ドローンや空飛ぶクルマの安全・安心な運航には、風況をリアルタイムに可視化するこの技術が役立つと考えました。そこで大阪・関西万博の安心・安全な運営の一助を担うため、運営事業者として貢献したいということで手を挙げました。
▽空飛ぶクルマが実用化される時代に
空飛ぶクルマが実用化される日が近いとも言われています。そうなれば空の移動革命が起きるかも。ぜひ、未来社会につながる最先端技術などの世界の英知が結集した新しいアイディアが創造・発信される万博を、見て・体験して楽しんでいただきたいと思います。
◆株式会社松菱製作所 オーダーメイド冷蔵庫で唯一無二のものづくり
▽先代の想いが実現
私たちは大阪・関西万博に運営参加サプライヤーとして迎賓館のワインセラーを提供します。先代が幼少期に訪れた1970年大阪万博の記憶から、今回の大阪・関西万博でも「どんな形でも関わりたい」ということをあちらこちらで言っていたところ、ご縁があり、先代の想いが実現しました。和を感じてもらうために、提供したワインセラーのうち1台は床面に専用畳を敷いています。
▽私たちの未来
オーダーメイドで製作し、バラバラにして現場で組み立てを行うので、搬入が難しいようなところも問題なく設置でき、運搬時も比較的スペースを必要としません。今後の海外展開を模索する上で、今回の機会は海外の方の反応を知れる良い機会と捉えています。また、私たちは仕事上フロンガスを扱うこともあるため、地球環境や温暖化についても身近な問題です。大阪・関西万博を機会に、自分たちの仕事の未来についてもアンテナを張り巡らしていきたいと考えています。
◆株式会社エネコートテクノロジーズ 最先端の太陽電池で未来を創る
▽場所や天候を選ばず発電
私たちが開発した「ペロブスカイト太陽電池」は、薄くて軽くて柔軟性が高く、室内光にも反応する高い発電能力が特徴です。大阪・関西万博では、実用化に向けた実証実験を行います。1つは、豊田合成(株)が開発した「スマートウェア」の発電装置として使用します。「スマートウェア」は民間パビリオンのスタッフが着用し、蓄電池を介してネッククーラー等の電源となります。もう1つは、新大阪駅から万博会場までの一部区間を自動運転で運行するシャトルバス(阪急観光バス)の電光表示に使用します。また、大阪ヘルスケアパビリオンでも展示を行います。
▽ペロブスカイト太陽電池の息吹を感じて
2025年は、特定の用途で販売を開始する「ペロブスカイト太陽電池元年」とも言える年です。そのような年に大阪・関西万博で、一般の方にその価値を感じていただける機会を得られたことを嬉しく思うとともに、巡り合わせのようなものを感じています。普及につなげていく契機となることを期待しています。
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。