文化 紫式部ゆかりのまち宇治魅力発信プロジェクト

■紫式部文学賞 紫式部市民文化賞 受賞作品が決定
◆紫式部文学賞
前年に発表された女性作家による作品のうち、全国の作家等から推薦された57作品の中から、選ばれました。

『大使とその妻』(長篇小説)
水村 美苗(みずむら みなえ)さん

▽受賞の言葉
このたびは紫式部文学賞を賜り、心より感謝を申し上げます。
これ以上大きなお名前はない賞です。日本が世界にもっとも誇れるものを一つだけ挙げよ――そう言われたら、世界の人は、少しでも教養があれば、迷わずに『源氏物語』の名を挙げるでしょう。今から一千年以上も前に私たちの言葉で書かれ、そして読みつがれてきた、かくも奥の深い文学があったという事実。しかもその文学が女の人の手によるものであったという事実。それはこの先何があろうと人類が存在する限り消すことのできない、歴史的、文学的事実です。
文学は過去の文学を糧として生まれます。今回この賞を賜り、自分が書くものがそのような文学とつながっているという幸福、いや、女の物書きとしてより深くつながっているという幸福を、高らかに謳い上げたい気持です。もう作家としての年月が限られた身ではありますが、書き続けられるだけ書き続けたく思っております。ありがとうございました。

・著者略歴
昭和26年、東京都生まれ。12歳のときに父の仕事の都合で渡米。イェール大学大学院仏文科博士課程修了。小説家・評論家として幅広く活躍中。

▽作品紹介と講評
選考委員長 鈴木 貞美
選考委員 竹田 青嗣

・各作品の講評等はこちら
※二次元コードは本紙参照

◆紫式部市民文化賞
市民による作品で、新作または前年度に刊行された文学作品および研究作品で、応募のあった33作品の中から選ばれました。

◇紫式部市民文化賞
「回想のアーミデール―ある昆虫研究者の異文化体験」
松良 俊明(まつら としあき)さんの紀行文

・受賞の言葉
今回の受賞、ありがとうございます。私はアリジゴクという昆虫の生態・行動を研究してきた関係で、オーストラリアに滞在する機会を得ました。小さな地方都市にある大学の寮で生活し、そこでの暮らしや自然との関わりを綴りました。

・著者略歴
昭和22年生まれ。京都大学農学部農林生物学科卒業。同大学大学院農学研究科博士課程修了。京都教育大学理学科教授を経て、現在、京都教育大学名誉教授、京都市青少年科学センター学術顧問。

◇紫式部市民文化賞 奨励賞
「私の投稿50年」
水上 壽惠(みずかみ としえ)さんの随筆

・受賞の言葉
結婚して以来宇治に住み子供を育て仕事をしてきました。書くことが好きで主に新聞の投稿を長年してきました。今年、後期高齢者となり投稿はまだまだ続けていますが、50年の一区切りとして今までの新聞の切り抜きをまとめて応募してみましたところ、奨励賞を頂けるという事でとても嬉しく思っています。

・著者略歴
昭和25年生まれ。結婚を機に宇治市へ。昭和51年から新聞に投稿を始める。同志社大学文学部文化学科国文学専攻卒業(社会人入学)。

◇紫式部市民文化賞 ユース賞
「依頼料理屋四島(よしま)」
山本 結月(やまもと ゆづき)さんの小説

・受賞の言葉
このたびはユース賞という素晴らしい賞に選出いただき、大変嬉しく思っています。まさか自分が選出されるとは思っておらず、驚きと喜びでいっぱいです。今後も人の心に残るような素敵な作品を書いていきたいです。

・著者略歴
平成19年生まれ。立命館宇治高等学校在学中。文芸部所属。

◇紫式部市民文化賞 ユース賞
「令和6年度 思い出川柳」
府立宇治支援学校 高等部くらし健康コースの皆さんの句集

・受賞の言葉
「うれしいな 素敵な賞を ありがとう」
楽しい思い出を振り返りながら作った川柳をとおして、私たちの日々の学びや感じた気持ちをたくさんの方々に伝えることができ、とても嬉しいです。これからもいろいろな形や方法で、気持ちを表現し続けていきたいと思います。

■受賞者の贈呈式・水村さんの講演会 参加者募集
日時:11月22日(土)午後1時半~4時(開場は午後1時)
場所:文化会館小ホール
定員:抽選で380人
申込み:「贈呈式入場希望」・氏名(ふりがな)・郵便番号・住所・電話番号を、10月28日(火)までに、郵送・Eメールで文化スポーツ課(〒611-8501 宇治琵琶33【E-mail】[email protected])へ。重複応募不可。記載事項不備の場合は無効。

問合せ:文化スポーツ課
【電話】20-8724