健康 京丹後から世界へ 第1回世界長寿サミット開催(1)

■健康で幸福な長寿社会を目指し世界初のサミットを京丹後で開催
百寿率(人口当たりの100歳以上の人口比率)が全国平均の約3倍という〝長寿のまち〝京丹後。その私たちのまちで、幸福で健康な長寿社会を目指し、世界から健康長寿に関して最新の研究を行う学者や専門家たちを招いた「第1回世界長寿サミット」が6月16日から4日間、丹後文化会館で開催されました。サミット期間中、シンポジウムやカンファレンスなどさまざまな学術的研究成果が発表され、公開講座では美食や観光、企業展示のブースなども設置。研究者だけでなく、自治体関係者をはじめ市内外から多くの人が訪れて賑わいました。

▽第1回世界長寿サミット
主催:世界長寿サミット実行委員会(大会長/京都府立医科大学医科大学夜久均学長、副会長/京丹後市中山市長、実行委員/宮津市城﨑市長、伊根町吉本町長、与謝野町山添町長)
後援:外務省、一般社団法人日本抗加齢医学会、特定非営利活動法人日本抗加齢協会
共催:一般社団法人日本ガットフレイル会議、一般社団法人日本ヘルスツーリズム学会

■国内外から注目を集める健康と長寿
6月16日に行われたオープニングでは、京丹後の健康長寿を象徴する平均年齢77歳の京丹後よさこい連による「長寿よさこい京丹後」が披露され華やかに幕を開けました。式典では、実行委員会大会長として、サミットを主導した府立医科大学の夜久均(やくひとし)学長が「最先端の研究を共有し、健康長寿について熱い議論を交わして有意義な会合となることを願う」とサミット開会を宣言。副会長の中山市長は、京丹後に集った世界各国の研究者や専門家、関係者などを歓迎しました。さらに、長寿地域を有するアメリカやギリシャ、コスタリカからは、開催を祝うビデオメッセージが届けられました。
この日は、国内外のテレビ局や新聞社など多くの報道関係者が集まり、その様子が当日のテレビでいち早く放映されるなど大きな話題となりました。注目を集めたのは「健康」と「長寿」。長生きするだけでなく、いかに健康に幸福に歳を重ねるかという点に大きく着目され、京丹後は健康で元気な高齢者が多いことから、健康長寿における食や細胞、循環器などさまざまな点から研究が行われていることを紹介。サミットの研究発表や講演、シンポジウムなどでもその秘訣や探求について話題に上がりました。

■市民公開講座には300人以上が参加
今回、大阪・関西万博に合わせて、研究発表以外にも市民参加が可能な「市民公開講座」が18日に開催されました。
この日、健康・美・長寿推進協議会のシンポジウムが行われ、市内外から集まった多くの来場者を前に、厚生労働省の吉田一生(よしだかずなり)さんが、認知症や健康寿命について分かりやすく解説。また、大阪観光局の溝畑宏(みぞはたひろし)理事長をはじめ、協議会参加の8自治体(※)が全国から集結し、それぞれの取り組み紹介や活発な意見交流を行いました。
その後、協議会会長の中山市長が「健康・美・長寿を、日本と地域のブランドとして確立し、世界のウェルネス・幸福長寿の発展に貢献しよう」などの項目を盛り込んだ京丹後宣言を発表し、第1部のシンポジウムを締めくくりました。
第2部では、健康長寿食に関する発表のほか、認知症予防や腸内細胞に関する解説が医師から行われ、来場者は熱心に聞き入っていました。
また、市が進める新しい観光の形「ヘルスツーリズム」の一環として、自然を感じながらウォーキングを行う体験プログラムも実施され、八丁浜から琴引浜までの4・2キロのコースを、多くの参加者が歩きました。
※福島県田村市白石市長、長野県山ノ内町平澤町長、京都府京丹後市中山市長、広島県神石高原町入江町長、大分県竹田市土居市長、鹿児島県伊仙町伊田町長、三重県多気町久保町長(オンライン)、沖縄県北中城村比嘉村長(オンライン)