- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府木津川市
- 広報紙名 : 【京都府木津川市】広報きづがわ 2025年7月号
■ウォーキングしていますか?
とうじ診療所 田路吉朗医師
診療時の会話で「ウォーキングや運動はしていますか?」という質問は耳にタコが出来るほど聞かされていると思います。なぜ医者はウォーキングや運動にこだわるのでしょうか?
糖尿病は(1)エネルギー消費の増大(2)インスリンの働きを高める(3)インスリンによらない急性血糖降下作用の3つの大きな効果で血糖値の改善が期待できます。この3つの効果は運動のインスリン様作用〔筋細胞表面に糖輸送担体(GLUT4)が移動発現することによる〕と運動の積み重ね効果などとして以前より提唱されています。
それ以外にも心肺機能の向上、血圧降下、ストレス発散、睡眠の質を高める、サルコペニア肥満を防げる、フレイル・ロコモーティブ症候群への進行を予防できる、感染症の重症化リスクが低下する、エイリアン脂肪が落ちるなどの効果もあり、「心筋梗塞」「脳卒中」にも効きます。更には、最近は、腎臓病、肺炎、13種類のがん予防、不安、ストレス、うつ、睡眠時無呼吸症候群、認知症、MIC(軽度認知障害)に効く、など数えればキリがないほど良いことずくめです。まさに、健康の玉手箱やー!なのです。
ただし、糖尿病で運動を禁止すべきものとして、空腹時血糖250mg/dl以上、尿ケトン体陽性、眼底出血、腎不全、虚血性心疾患、骨・関節疾患がありますが、ほとんどが良いことばかりです。だから「運動されていますか?」なのです。具体的な運動量は、1回30~60分程度、最低でも週2~3回を継続することが重要で、1日トータル1万歩が理想です。お孫さんと、卓球、ボール投げ、バドミントンなど、一緒に楽しめたら、こんな幸せなことはないですよね?