くらし 未来に向けて輝き続ける京都づくりに挑戦

■京都府知事 西脇 隆俊
あけましておめでとうございます。府民の皆さまにおかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶(よろこ)び申し上げます。

昨年は、「大阪・関西万博」の開催を通じて、多くの方に京都の伝統から革新までさまざまな魅力に触れていただきました。また同時に、文化庁の京都移転から3年目を迎え、国と協力して新しい文化政策を京都から創り上げ、世界に向けて発信できたことにより、改めて、京都の文化力の奥深さを再認識する機会ともなりました。

「美しい花を咲かせ続けるには、停滞することなく、変化し続けなければならない」。これは、室町時代に能を大成した世阿弥(ぜあみ)が「風姿花伝(ふうしかでん)」に残した後人への心得です。当時の大衆芸能であった猿楽(さるがく)を磨き上げ、日本が世界に誇れる芸術である能へと昇華させていった世阿弥は、常に変化を恐れず進化していく努力の大切さを花に例えて説きました。千年の京都の歴史と文化も、そのときどきの先人たちが絶え間なく変化を繰り返して育てあげてきた、かけがえのない財産であり、国内外から多くの方が訪れる京都の魅力の源泉です。そして、時代の変化を柔軟に受け容(い)れ、常に技術の進歩を人々の幸せにしなやかに結び付ける文化と心根が、今も昔も京都でイノベーションを生み出し続ける原動力となっています。

本年は、こうした先人たちからの「贈りもの」を活かして、人と人との絆や京都府と府民の皆さまとの信頼関係を大切にしながら取り組んできた、京都府総合計画の最終年度を迎えます。全ての営みの土台となる安心を確かなものとし、府民の皆さまが、未来を担う子どもたちをあたたかく育みながら、将来に向かって夢を抱いていける、「あたたかい京都づくり」を実感いただけるよう、取り組んでまいります。

私たちが生きる現代は、人口減少・少子高齢化に加え、気候変動やAIによる技術革新など、大きな変革期にあります。先行きを見通せない今こそ、京都の魅力を支える府民の皆さまや京都を訪れる多彩な人材と共に、先人から引き継いだ京都の魅力の源泉を磨き上げてまいります。そして、今年の干支(えと)「午(うま)」が象徴する、飛躍し、力強く前進する馬の如く、直面する課題を一つずつ乗り越えながら、前へ前へと絶えず成長を続ける、輝き続ける京都を実現してまいりたいと考えております。

今年一年の皆さまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。