子育て 冬休み(学校長期休業)を迎えるにあたって(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市淀川区
- 広報紙名 : よどマガ! 令和7年12月号
~ネット社会・スマホ時代における大人が果たすべき責任~
情報技術の発展により、誰でも気軽にインターネットを利用し、情報発信ができる時代になっています。小・中学生や高校生といった未成年の子どもたちも、スマートフォンを手にし、SNSで友人たちと繋がる姿は、今やごく当たり前の光景になっています。
スマートフォンは便利な道具であり、SNSも子どもたちにとって友人たちと交流する大事な場所になりつつあります。しかし、それらの利用には、大きな危険も隠れています。子どもたちが安全にインターネットやSNSを利用できるよう、大人が見守り、支える必要があります。
岡田健一(おかだけんいち)弁護士
中小企業診断士、情報処理安全確保支援士としても登録。ITに関する紛争処理なども扱い、大阪弁護士会所属弁護士を中心とする電子商取引問題研究会に所属。共著書として『発信者情報開示請求の手引』(民事法研究会)などがある。
◆I.子どもたちが意図せず「加害者」にならないように
◇1.指先ひとつで全世界に発信できる時代に。
インターネットの普及によって、私達は簡単に情報を発信できるようになりました。自分の描いたイラストを見てもらいたい、自分の歌を聞いてもらいたい、書いた小説を読んでもらいたい、そういう表現活動もインターネットを通じて気軽に行うことができます。自分の思っていることをSNSで発信したり、ニュースやトピックに対して反応したり、そういうことがスマートフォン1台でできるようになりました。これは、インターネットの発展によって私たちの自己実現の場ができたということで喜ばしいことです。
ただ、一方で、スマートフォンさえあれば、情報を発信することができてしまうということです。インターネットは世界につながっています。指先でスマートフォンをタップするだけで全世界に向けて一つの情報を発信することができてしまう、そういう怖い時代になったともいえます。
◇2.ある日突然、自分が「加害者」に。
多くの場合、SNSを利用している子どもたちは、自分が利用しているSNSでの投稿が全世界に向けて発信されているとは思っていません。あくまで、友人同士で、小さな範囲で交流するために使っているという場合が多いと思います。そのため、友人同士の「ノリ」と「勢い」で投稿をしてしまうことによって、思いもよらない法的なトラブルに発展するケースが後を絶ちません。主な例として、以下の3つが挙げられます。
(1)名誉毀損・侮辱
誰かの悪口を書き込んだり、悪い噂を流したりする行為です。これらは法的に「名誉毀損」や「侮辱」にあたり、犯罪に該当するほか、被害者から慰謝料等を請求される可能性があります。
(2)営業妨害
飲食店などで悪ふざけをする動画を撮影し、SNSに投稿する、といった行為です。これらは店の信用を著しく傷つけ、「威力業務妨害」などの犯罪に問われる可能性があります。また、企業から数千万円単位の損害賠償を請求されるケースも実際に起きています。
(3)著作権侵害
好きなアニメの映像や漫画の画像、音楽などを無断でSNSにアップロードしたり送信したりする行為です。これらは「著作権侵害」に該当し、作者や制作者の権利を侵害するものです。
◇3.匿名アカウントだから大丈夫?
「匿名のアカウントだからバレない」だろうという考えは、残念ながら通用しません。被害者が、弁護士に依頼するなどして「発信者情報開示請求」という法的な手続きを行えば、投稿者が誰であるかを特定することができるからです。
