- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府岸和田市
- 広報紙名 : 広報きしわだ 2025年6月号
これからも、みなさんとともに
1995年の開館から延べ50万人以上が訪れた「きしわだ自然資料館」が、6月1日に開館30周年を迎えました。開館以来めざすのは「みんなで育て、みんなで楽しむミュージアム」。これからも市民のみなさんとの交流を大切に、何度来てもおもしろい、新しい発見があるミュージアムであり続けるための努力、挑戦を重ねていきます。
ぜひ30歳になったきしわだ自然資料館へ遊びに来てください。記念イベントをたくさんご用意して(10面参照)、みなさんの来館をお待ちしています。
■30年のあゆみ
(1990ごろ)平成2年
蕎原文吉氏より、岸和田市に剥製の寄贈についての打診
(1994)平成6年12月
流木町でキシワダワニ化石発見
(1995)
平成7年6月
きしわだ自然資料館開館
平成7年9月
はじめての室内講座開催
講師は初代館長・千地万造氏
(1999)平成11年4月
キシワダワニコーナー新設
(2002)平成14年6月
きしわだ自然友の会発足
(2004)
平成16年4月
小・中学生の入場料が無料に
平成16年5月
「チリメンモンスター」誕生
(2011)平成23年12月
モササウルスコーナー・ミニ実習コーナーなど新設
(2021)令和3年4月
「チリメンモンスター」が中学校の理科の教科書に取り上げられる
1990年ごろ、蕎原文吉氏から岸和田市に剥製(はくせい)の寄贈について打診があったことがきっかけで展示施設が必要となり、きしわだ自然資料館は誕生しました。それから30年、さまざまな分野の調査・研究、展示、講座の開催に努めてきました。
▽小さくてもキラリと光る博物館へ~きしわだ自然資料館開館30周年にあたって~
「小さくてもキラリと光る博物館、親しみのある博物館、地域にとって存在感のある博物館を私たちはめざしている」。
これは、初代館長・千地万造氏の言葉です。館長1人、学芸員3人ですが、皆様のご支援のもと、アドバイザーや専門員、きしわだ自然友の会評議員等々、多くの方々に助けられて目標達成に努めてきました。特に、チリメンモンスター事業は大きな支持を受け続けており、その名は全国に知れ渡るようになっています。「こんな事業をもっと増やして、光り続けなくては」と考えています。
「親しみのある博物館になれているだろうか?地域にとって存在感は十分だろうか?」日々反省しながら、めざす博物館像に向けて努力を続けます。皆様の変わらぬご支援をお願いいたします。
■愛されて30年。みんなで育て、楽しむミュージアム
きしわだ自然資料館は、いろいろな人が来てくれ、いろいろな人が関わってくれて、ともに育ってきました。みんなで一緒に考えて、みんなで活動して、そしてみんなで楽しむ!それが、きしわだ自然資料館ならではの大きな魅力です。
▽大人も楽しめる博物館!いろんなところで自然資料館の良さを伝えていきたい
岸和田の昔話をする人形劇サークル「おじかくらぶ」で脚本音響を担当しています。演出上欠かせない効果音、例えば鳥の鳴き声などを調べたりするのに、きしわだ自然資料館にはお世話になっています。数年前、自然資料館で人形劇をした時に「地域の自然と歴史について、子どもだけじゃなく大人も楽しめる内容なので、広く発信してほしい」と話をいただいたのをきっかけに、自然資料館発行の冊子へ寄稿したり、研究発表会のメランジェゼミで自身の研究成果を発表したりしています。
今、朝鮮通信使の研究をしているのですが、文献に捕鯨について書かれていたので自然資料館に相談したところ、太地町立くじらの博物館を紹介してくれました。
自然資料館の学芸員さんやアドバイザーの知識・ネットワークは本当に素晴らしくて、質問も一つ聞くと十以上の答えが返ってきます(笑)。たくさん資料を見せてくれて、知っていることは惜しげもなく教えてくれます。
自然資料館は見て楽しいだけではなく、大人の疑問にも答えてくれる、岸和田の自然や歴史を愛する人たちの交流の場でもあるんです。
▽私が体験したことを、息子にも体験させてあげたい。これからも、大好きな自然資料館に親子で通います!
初めてきしわだ自然資料館の行事に参加したのは、小学3年生の時でした。虫が大好きで、登山しながらの昆虫採集や海の生き物探検、バードウォッチング、植物採集などいろいろなイベントに参加させていただきました。
山歩きでは、先生のすぐ後ろについて、草花、虫などの生き物、鳥の声…見えるもの聞こえるもの、たくさんのことを先生方から教わりました。知らない世界を教えてもらい、毎回新しい発見ばかりで、終始ワクワクしながら参加していたことを今でも覚えています。
とにかく自然資料館と先生方が大好きで、当時の日記には「自然資料館の人になりたい」との一文も(笑)。自然資料館と先生方のおかげで、さらに生き物に興味を持ち、好きになることができました。生き物の奥深さを知り、生き物だけではなくどんなことも、その背景にはいろんな世界があるんだなと思えるようになり、ものの見方が変わり、探究心が芽生えたように思います。
息子は虫も魚も好きなので、一緒に山歩きや海の生き物探検に参加するのが今から楽しみです!