くらし 園芸はじめの1歩! 3年かけて理想の庭づくりへ

写真・文:富山 昌克

お庭の後景部分を彩る花を季節ごとに紹介します。手軽に入手でき、誰でも簡単に咲かせられる超スタンダードな園芸植物の栽培法をマスターしましょう。

No.10 ノウゼンカズラ
中国原産のノウゼンカズラは、ひときわ目を引く濃いオレンジ色の花を咲かせる落葉性のつる植物です。樹木や壁などに付着し這い登り、秋まで大きな花を咲かせ続けます。栽培は簡単です。濃紅、濃紅オレンジ、黄などの花色の品種があります。ピンクの花を咲かせるピンクノウゼンカズラは、ポドラネア属の常緑つる性木本(もくもん)です。
開花期間:7月~9月
水やり:植えつけ後、土が乾いたら水やり、その後は不要。
置き場:日当たりのよい場所で。

■マメ知識
ノウゼンカズラは、平安時代から庭木として親しまれてきました。古名はノウセウで、訛(なま)って「ノウゼン」となり、つるの意味があるカズラの名が付き、ノウゼンカズラという和名になりました。英名は、花の形がトランペットに似ていることからトランペット・フラワーとよばれています。

■お庭づくりの極意
つる性植物は狭小な庭やベランダでも栽培できます。すき間を狙って枝を伸ばすので、少しの地面があれば、家の壁面やフェンスに這わせて広がりある花の空間をつくることができます。

■挿し木の手順
(1)挿し木は生育期となる6月~8月が適期。枝を15cm~20cm切る。切り口を1時間ほど水につけておくと根が出やすい。
(2)葉が多いと水分が蒸散しすぎるため、上部に2枚~3枚残し、あとは落とす。
(3)挿し木用土には、穴をあける。
(4)枝を土へ挿したら、水をあげて明るい日陰下で管理。

■栽培管理の方法
這い登るためのしっかりした支柱や樹木、棚、フェンスなどの近くに植えることが必要です。樹勢が強く、成長しすぎるので落葉期の2月に前年の枝を全て切り落としましょう。

■お庭づくりのポイント
季節の草花(マリーゴールド)などの花鉢をスタンドなどで高低をつけて設置し、その背後につる性植物を植え込むと、さらに立体的なガーデニングができます。

■次回は9月号予定 ツルバラ秋編です!
市公式YouTubeチャンネルでは、ハイドロカルチャーの栽培方法の動画を公開中!ぜひご覧ください!