文化 もっと!あまらぶ File49

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■田能資料館
今月は、昭和45(1970)年の開館から今年で55周年を迎える近畿で最も歴史ある資料館の一つ、田能資料館を紹介します。

・偶然の遺跡発見 市民の熱意で保存へ
国指定史跡である田能遺跡は昭和40(1965)年、園田配水場を建設する時、地中から偶然発見されました。考古学会で協力を呼びかけると全国から調査員が駆けつけ、弥生時代の墓や遺物が次々に見つかりました。たくさんの市民も見学に訪れ、調査員に食べ物を差し入れるなど、次第に交流を深めていきました。
こうした交流の中で、調査後に同遺跡が壊される予定であることを知った市民の皆さんは、「遺跡を残そう!」と署名など前例のない遺跡の保存運動を始めます。当時配られたチラシでは、遺跡の保存だけでなく、博物館と史跡公園の建設も呼び掛けられました。熱意ある市民運動が実り、同遺跡の保存が決定。昭和44(1969)年に国の史跡に指定され、翌年、同館が開館しました。

・学習や憩いの場に かつては王がいた!?
同館は、住居2棟と高床倉庫を実物大で復元した史跡公園と、同遺跡で見つかった遺物などの展示施設を備えています。展示や復元住居は校外学習などに利用され、広々とした公園は憩いの場としても地域の皆さんに親しまれています。
また、全国の弥生時代の遺跡を巡る「弥生の御朱印巡り」のスポットに同遺跡が選ばれ、令和4(2022)年から「田能国王」の御朱印を配布しています。これは、同時代の貴重な宝石碧玉製管玉(へきぎょくせいくだたま)で作られたネックレスや白銅製の釧(くしろ)(ブレスレット)などを身に着けた地域の王と考えられる人物が、同遺跡に埋葬されていたからなんです。来館の記念に御朱印も受け取ってくださいね。

・弥生時代の暮らしを体験しに行こう!
6月から同館で、弥生時代について学べる企画展を開催します。期間中は同時代のデザインを再現した衣服を着ることもできます。また、本物の弥生土器に触れることができる体験も予定しています。
見て、触れて、同時代の暮らしに思いをはせてみませんか。皆さんの来館をお待ちしています!

▽前期企画展「弥生時代をのぞいてみよう 弥生土器」
ID:1034837
6月10日〜9月7日午前10時〜午後5時(最終入館は4時30分)

問合せ:同館
【電話・FAX】6492-1777
休館日:月曜日(ただし5月5日(月)は開館し、7日(水)は休館)

■あまらぶクイズ
当初、田能遺跡は発掘調査後にどうなる予定だったでしょう?
(1)遊園地になる予定だった
(2)畑になる予定だった
(3)壊される予定だった

答え:(3)壊される予定だった