くらし 〔特集1〕このまちには馬がいる(1)

~三木ホースランドパークから広がる、人と馬、そして自然とのふれあい~
三木には、市とJRA(日本中央競馬会)が国有林を活用して整備した、全国でも最大級の規模と環境を誇る三木ホースランドパークがあります。ここでは、人と馬が近くでふれあえるだけでなく、全国規模の馬術競技会や多彩なイベントが行われ、観光施設や地域の交流拠点として親しまれています。また、キャンプエリアや宿泊施設も備え、自然の中でゆったりと過ごせる環境が整っています。本特集では、パークの魅力、人と馬とのふれあい、パークならではの体験やイベントなどを紹介します。

■理事長に聞く、三木ホースランドパークの魅力
三木ホースランドパーク
理事長 佐野健吉さん

◇設立の思いは「人と馬、そして自然とのふれあい」
当パークは三木山の豊かな自然の中で、イベントなどを通じて心身の健全な発達に寄与し、豊かな人間性を育むことを目的に市とJRAによって設立された「公益財団法人三木山人と馬とのふれあいの森協会」が管理・運営しています。
1999年に「人と馬、そして自然とのふれあい」をテーマに開園し、子どもから大人まで幅広い世代に、乗馬や馬とのふれあいに加え、さまざまな体験活動を楽しめる施設として親しまれています。また、競走馬の検疫検査に対応する厩舎なども整えられており、国内の馬事振興においても重要な役割を担っています。

◇馬と間近でふれあえることが最大の魅力
当パークの魅力は、馬との距離が他の施設よりも非常に近いことです。試乗会やえさやり体験では、馬のやさしいまなざしや温もりを間近で感じられます。さらに、全国規模の大会で繰り広げられる馬術競技は、力強く駆ける馬の蹄音や躍動感が胸に響き、緑豊かな環境の中で迫力と感動を同時に体感することができます。

◇市民に親しまれる施設をめざして
市内の全小学校の自然学校は当パークで行われています。プログラムの中にはホーストレッキングもあり、子どもたちが気軽に馬とふれあう機会を増やしています。また、馬術競技の全国大会や季節ごとのイベントを通じて、観光で来られた多くの方たちにも馬と自然の魅力を感じてもらえる入り口になっています。豊かな自然環境を背景に、地元と全国をつなぐ交流の拠点としての役割も果たしていきたいと考えています。

◇未来に向けた取組
より快適で安全な環境を整えつつ、馬とのふれあいをさらに身近に感じられる新企画を検討中です。今後も、人と馬、そして自然の魅力を未来へつなげ、市の発展や地域活性化に寄与できる施設をめざしていきます。

■楽しさ広がる!魅力たっぷりの施設
◇エクウスの森
・試乗会や馬のえさやり、ポニーとのふれあいが人気。子どもから大人まで気軽に馬とふれあえます。
・見学可能な厩舎では馬たちがのんびり過ごす様子を間近に感じられ、癒やしの時間を過ごせます。

◇エオの森
・自然豊かな散策路やキャンプ・BBQエリアでは、家族や仲間とともにアウトドアを満喫できます。
・団体利用が可能な研修施設や宿泊施設。市内外の小学校の自然学校やスポーツ合宿などの受入れもしています。

三木ホースランドパークには、人と馬とのさまざまな出会いがあふれています。そこで、馬とふれあうことの魅力や、舞台裏、馬たちの暮らしなどについて、スタッフに聞きました。

■人と馬が楽しくふれあうために
MIKIホーストレック
高原栞奈さん
馬の体調管理・調教から乗馬教室での指導、ホーストレッキングなどを担当

◇最善のケアで安全・安心なふれあいを
三木ホースランドパークの馬たちは、自然豊かな環境のもと、健康で穏やかに暮らしています。スタッフは毎日、便や毛並み、目の輝き、行動を観察し、ブラッシングや触診で丁寧にケアし、体調や性格に合わせた接し方を心がけ、馬との信頼関係を育んでいます。乗馬教室やトレッキングで活躍する馬も、こうした日々のケアによって最善のコンディションを保っています。
馬は優しく穏やかですが、非常に臆病な生き物で落下物や風に舞うビニール袋の音など、些細なことで驚くことがあります。スタッフは周囲の環境や馬の反応に常に目を配り、来園者が安心してふれあえるよう配慮しています。

◇第2の人生をおくる馬たち
園内には、かつて競走馬や誘導馬として活躍した馬たちも暮らしています。今でもよく当時からのファンの方が訪れ、再会を喜びます。この馬たちは再トレーニングを経て乗用馬として活躍しながら、ここで来園者とふれあっています。穏やかな環境で第2の人生を過ごしながら、人との出会いを楽しむ姿は、訪れる人の心を和ませます。厩舎ではそれぞれの過去の経歴なども紹介しているので、来られた際はぜひご覧ください。

■心に残る特別な時間を過ごしてほしい
馬事部馬事係
大町彩花さん
馬の体調管理・調教から各種イベント・主催競技会の運営などを担当

◇馬との出会いが生む笑顔
三木ホースランドパークには、初めて馬にふれる子どもたちや家族がたくさん訪れます。近くで見る馬の大きさに驚き、最初はおそるおそる手を伸ばす子もいますが、首やたてがみにそっとふれた瞬間、自然と笑顔がこぼれ、中には「乗ってみたい」と目を輝かせる子もいます。一方で、最初は怖がって近づけなかった子も保護者の方や友達に勇気づけられて少しずつ近づき、やがて馬にふれられるようになります。その姿を見て、周りの人やスタッフも笑顔になります。

◇何度でも会いたくなる存在
引き馬試乗会や馬車試乗会では、イベント時間に合わせて毎週来てくださる常連の方もいます。「また乗りたい」「もっと会いたい」と言ってもらえるたび、馬とのふれあいが特別な時間になっていることを実感します。また、回を重ねるごとに信頼関係が生まれ、馬との距離も近づき、より親しみを感じてもらっています。

◇馬の魅力をさらに伝えたい
私にとって、来園者の方に馬に興味を持ってもらえることが何より嬉しい瞬間です。今後も馬とのふれあいを通じて、可愛らしさや美しさ、それぞれの馬の性格など、その魅力をもっと多くの方に伝えていけるよう努めていきます。

■来園者の声を聞いてみました
上田さん親子
・今年の3月に初めて訪れたとき、子どもがとても喜び、私自身も癒されました。それ以来、何度も来ています。子どもは着くなりいつもお馬さんに駆け寄っていきます。ポニーに乗れるのが特にうれしく、今日は3回も体験しました。これからもお馬さんとのふれあいを楽しみたいです!

問合せ:(市)観光振興課