くらし 〔特集〕まちが動き出す「出会い」と「学び」の場(2)

■挑戦に寄り添い多様な熱意をつなぎ合わせる
それぞれの思いを未来の原動力に
まちを面白くするのは、そこに住む人の熱意です。それぞれの思いを活動へとつなげるために、運営に携わる4人は受講生にどう寄り添ってきたのでしょうか。その思いを語ってもらいました。

◇共創がまちの風景を変える
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)
サステナビリティ推進室 髙橋諒さん
エイチ・ツー・オーリテイリンググループとして、このまちが皆さんにとって「ずっと住み続けたいまち」になるように貢献したいと考えています。今回協力したのは、担当者の皆さんの「川西を舞台に新たな出会いやアイデアが生まれる場を創りたい」という思いに共感したからです。
熱気があふれる場を支えるために、100人いれば100通りある期待にどう応えるかを考えています。事務局が毎回アンケートに目を通し、新たな工夫をしつつ、最適なバランスを探っています。
社会課題に対し、多様な人たちが得意なことを持ち寄り、組み合わせる「共創」こそが、まちを変える原動力になります。「川西って、こんなに面白い人がいたんだ」という発見を楽しみながら、私たちも未来を面白がる「まちの仲間」でありたいと考えています。

◇応援し合う仲間がまちの力に
阪急電鉄(株)
沿線まちづくり推進部 課長 永田賢司さん
沿線の豊かさを追求する中で、魅力的な人が増え、地域に新たな事業が生まれることを願い、この事業に賛同しました。
まちづくりを考える上で、特にソフト面では公的要素を含む「まちの資源を使いこなす」ことがポイントと考えます。そのために、資源を使いこなす「人」に注目することは必然ではないでしょうか。実際に、約100人もの人が集う現場には、事務局を含めた皆さんの圧倒的な熱量を感じています。
これほどの規模の取り組みを進めるのは非常に珍しく、貴重な機会です。参加者の皆さんには、この場を通じて応援し合える仲間をつくり、それぞれの「小さな一歩」を踏み出してもらえたらうれしいです。立場を越えて、共に川西を盛り上げていきましょう。

◇まちの解像度が劇的に変わる
(同)サスティナブル・デザイン都市戦略研究所
代表 秋澤晴香さん
川西には都市部の第一線でスキルや経験を磨いている人が多いですが、現状では地域に還元されず、もったいない未利用資産になっています。LBHの意義は、そんな皆さんが地元で新しい活動を始め、志を共にする仲間とつながる「きっかけ」をデザインすることにあります。
運営では、教科書通りの理論ではなく現場を泥臭く動かす「実践者」の思考にふれる刺激と、それを自分の文脈で咀嚼(そしゃく)する対話の両立にこだわりました。自らの手で価値を生み出そうとする深い当事者意識こそが、まちの活性化の源泉になります。
ここは人生を最高に面白くしたい人のための「実験場」です。一歩踏み出すだけで、明日からのまちの解像度が劇的に変わるはず。あなたのワクワクを形にするため、私たちは全力で伴走します。

◇挑戦する全ての人に開かれた場
(同)アンドイー
代表 九鬼麻衣さん(タウンマネージャー)
LBHは、誰もが参加できる「プラットフォーム」。講義がスタートして驚いたのは、川西には豊かな知性と熱量、経験を持つ人たちが潜在していたという事実でした。皆さんのエネルギーを、まちの活動へとつなげていくことが未来をつくる力になります。
運営としての役割は「受講生同士をつなぐこと」。人を結ぶ橋渡しを行い、挑戦したい意志を仲間が支える土壌づくりに尽力しています。受講生の皆さんには、学びを通じて自分の中にある可能性や形にしたい思いに気付き、仲間の存在を糧に一歩踏み出してほしいです。
まちをつくるのは一人一人の熱量であり、それが社会をつくる。川西というまちは、挑戦する全ての人に開かれているというメッセージが広く届くことを願っています。

■出会い、つながり、広がり続ける活動
◆「学び」と「対話」から生まれる「化学反応」

◇世代や職業を超えた対話 生まれる新たなつながり
昨年8月に始動した「LOCAL BUSINESS HUB かわにし(LBH)」では、総勢109人の受講生が熱心に学びを深めてきました。
受講生の顔触れは、第一線で活躍する会社員や起業家、地域活動に尽力する人、そして次世代を担う学生まで多岐にわたります。普段の生活の中では交わることのなかった多様な世代や職種の受講生たちが、垣根を越えた対話を重ねてきました。

◇「学び」から「実践」へ 活動の芽を育む
LBHは、単なる知識習得の場にとどまらず、具体的な「アクション」の連鎖を生み出しています。イベントの企画や運営へのサポーターとしての参画など、すでに目に見える形となって動き始めています。
また、公共空間など活用しきれていなかった場所の利活用や、地域イベントへの出店、交流会の開催など、この場で出会った受講生同士が作り上げた取り組みもあります。一人では踏み出しにくい一歩でも、それぞれの知見や得意分野を持ち寄り、補い合うことで実現へと近付けていくことができる。そんな心強いコミュニティが、この約半年間で着実に育まれてきました。
多様な個性が重なり合って化学反応が起こり、さらなる活動へとつながる。まちをもっと良くしたいという願いや、自分たちの手で暮らしを面白くしていくという思いの芽が、今、力強く息吹いています。