くらし 〔特集〕まちが動き出す「出会い」と「学び」の場(1)

LOCAL BUSINESS HUB かわにし2025

視点が変わればまちが変わる

LBHで実施した講義の内容などは特設サイトから
※二次元コードは本紙をご覧ください。

空き家を活用した防災拠点づくりなど地域課題を解決するために、全国各地で活動を展開する河原勇輝さん。ビジネスの視点から地域課題の解決をめざす取り組み「LOCAL BUSINESS HUB かわにし(LBH)」では講師を務めました。河原さんに、LBHの意義などについて聞きました。

(株)solar crew 河原勇輝さん

■圧倒的な熱量が生む強固なコミュニティに
講師として登壇して驚いたのは、受講者の皆さんの熱量です。ここ数年で最も質問が多く、講義時間内では収まらないほどでした。単なる「学び」の場に留まらず、何かを変えようとする意志が会場にあふれています。
LBHの良さは、単発の講座ではなく複数回にわたるプログラムである点。多種多様な講師の話を聞き、受講者同士が深く交流することで、強固なコミュニティが生まれます。一人で物事を進めるのは難しいことですが、オンラインツール(note)なども活用しながら、チームでまちを良くしようとするモチベーションが維持されています。

■横のつながりで補い合い共に踏み出す「一歩」を
もはや、行政だけで地域課題を解決する時代ではありません。今後は企業や地域が中心となり課題に挑み、行政が支援するという形へのシフトが不可欠。このような取り組みが続くことで、立ち上がる人が増えていくと思います。
皆さんに伝えたいのは、とにかく「アクション」につなげてほしいということです。地域課題の解決に、競い合いは不要です。互いに「補い合う」ための、横のつながりを大切にしてください。学ぶだけでなく、楽しむ心を持って集う皆さんの姿に、川西の明るい未来を感じています。

■ビジネスの視点でまちをアップデートする「拠点」
◇LOCAL BUSINESS HUB かわにし(LBH)とは
「LOCAL BUSINESS HUB かわにし(LBH)」は、ビジネスの視点で地域の未来を面白くする「出会いと実験の場」です。会社員や起業家、地域で活動する人など、市内外から100人以上の多種多様なメンバーが集まっています。
最大の特徴は、第一線で活躍する実践者を講師に招いた「学び」と、参加者同士の「対話」を軸にしている点です。福祉や空き家・公共空間の活用などの多彩なテーマを通じて、個人のアイデアを地域課題の解決や新しい価値創造へとつなげるための土壌を耕しています。
この取り組みがハブ(拠点)となり、人と人の化学反応を促すことで、数年後の川西を動かす新しいプロジェクトの種がここから次々と芽吹くことをめざしています。

■受講生の声
この取り組みで生まれたつながりは、個人の「やりたい」を形にする力になっています。
一歩踏み出そうとしている4人の受講生に、今、感じていることを聞きました。

◇つながりの連鎖が活動を広げる
櫨畑(はじはた)敦子さん
知人の誘いで「まずは行ってみよう」と参加を決めました。川西へ移り住んで2年。もともと、イベントが活発なまちだという印象はありましたが、この取り組みに参加したことで、想像以上に新しいつながりが広がりました。
交流を深める中で、今、一つのプロジェクトが動き出しています。それはギャラリーかわにしでの「モノづくりの展覧会」。作品を並べるだけでなく、作り手の思いを届けるトークイベントや写真展も同時開催する予定です。
ここでの出会いをきっかけに、つながりの連鎖がどこまで広がっていくのか、その先にある変化が今から楽しみです。

◇ゆっくりとまちとの縁を広げる
河村浩司さん
市公式LINEでLBHを知り、「地域に知り合いが増えれば」と参加を決めました。川西やその周辺に住んで約20年になりますが、これまでは仕事や子育てに追われ、地域との関わりはほとんどありませんでした。
将来を見据え、今のうちに地域とのつながりを持ちたい。そんな思いで足を踏み入れたこの場には、仕事以外の「何か」を始めたくなる刺激があふれていました。昨年末には、小戸でイベントを開催。自ら動くことで、これまでは見えなかった新しい世界が広がり始めています。ここから、ゆっくりとまちとのつながりが深くなっていくことを期待しています。

◇川西に若者がつながる拠点を
刀禰(とね)一輝さん
広報誌を見てこの取り組みに興味を持ち、学生という立場で参加しました。これまでは働くなら大阪や東京などの都市部に出るイメージしかありませんでしたが、「川西でビジネスをする」という新たな可能性に気付かされました。
参加者の皆さんの知恵にふれ、見識を深められる時間は非常に貴重な学びの場です。今は自分と同じ20代が地域で挑戦できるような、若者の居場所やグループを作ってみたいと考えています。
ここでの交流を通じて、困ったときに協力し合える仲間も見つかりました。この輪が同世代に広がり、若者がこのまちで未来を描けるきっかけになればうれしいです。

◇「私にもできる」が芽生えた場所
伊藤華絵さん
引っ越してきたばかりだった時にこの取り組みを見つけ、「地域とのつながり」を求めて参加しました。川西は利便性と自然のバランスが良く、イベントも盛んな「ちょうど良いまち」だと感じていました。参加してみると前向きな人が多く、大きな事業に挑む人から地域活動を楽しむ人まで、多様な熱量にふれられるのが大きな刺激になっています。
今は自分でも人と人が交流できる場を作ることができればと考えています。周りの挑戦を間近に感じるうちに、「私にも何かできるかも」と思えるようになりました。皆さんにパワーをもらい、できることを進めていきたいと思います。