- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県朝来市
- 広報紙名 : 広報朝来 令和7年11月号
■音と言葉で紡ぐひとつの世界
作曲を担う西田さんは、現場の空気や人の声を何より大切にしている。「必ず現地へ行き、その土地で感じた音や人の思いを、曲に息を吹き込むように形にしていく」と話す。一方、作詞を担当する中田さんは、辞書を一切使わず、自らの中に浮かぶ言葉だけで詩を紡ぐ。「現地に立ち、心に浮かんだ言葉の中から際立つ言葉を探すようにしている。ひとつの言葉だけに何時間も向き合い続けることもあります」と語る。感じ取る力とひたむきに自分と向き合う心、二人で作る楽曲は、そんな静かな調和から生まれている。
■音でつながる、人と想い
音楽事務所では、個人レッスンで歌唱指導を行い、技術だけでなく生徒一人一人の想いに寄り添いながら向き合うことを大切にしている。生徒の中には全国大会で上位入賞を果たす人も多く、二人の指導は確かな実績を重ねてきた。発表会では二人で作った曲が歌われ、会場には歓声と拍手があふれる。「自分たちの作った歌を誰かが歌ってくれるのが本当にうれしい」と二人は笑顔で話す。音楽を通じて生まれている人とのつながりが、地域に穏やかに、そして温かな音を奏でている。
西田武生(にしだたけお)さん(右)
中田光子(なかたみつこ)さん
(和田山上町)
高校卒業後は自衛隊の音楽隊に配属され、経験を積んだ西田さん。父の看病をきっかけに地元へ戻り、和田山でタクシー会社に勤めているときに、当時の所長から「竹田城跡の歌を作ってほしい」と言われ、楽曲「甦れ竹田城」を制作。これがきっかけとなり、歌を通じて、地域に貢献したいと想う心が芽生え、その後、音楽を通じて出会った妻の中田さんとともに、西田音楽事務所を設立。中田さんが作詞、西田さんが作曲を手掛け、朝来市や但馬に関する楽曲を100曲以上制作した。「生涯現役」をモットーに、現在も、楽曲を制作しながら、生徒へのレッスンを行うなど、地域に音楽の輪を広げている。
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