くらし ふれあい

■ママのお母さん
ある新聞の投稿欄で幼い娘をもつ男性から寄せられた以下の記事を見つけた。とても感動し、心に残ったので紹介します。
「4歳になった娘は、毎月行われる幼稚園の誕生会で、大きくなったら何になりたいですか、という恒例の質問に『ママのお母さんになりたいです』と答えた。『お母さんになりたい』ならば分かるが、『ママのお母さん』の意味がその時には判然とせず、謎だった。

ある日、娘を寝かしつけていた時のこと。ふと娘が『お父さんにはお父さんのお母さんがいるでしょう。でもママにはお母さんがいないから、大きくなったらママのお母さんになりたいんだ』と語った。
義母は娘が生まれて間もなく、がんで亡くなった。義母は娘の誕生をとても喜んでくれたが、入院中でコロナ禍のため、出生したばかりの娘と面会することはかなわなかった。妻は悲しみの中でも日々の育児を頑張ったが、手探りの子育てに不安は大きかったと思う。本当は、頼りにしていた母に、子育てについてもっとたくさんのことを教わりたかったと思う。
娘はその小さい胸に、母の寂しい思いを感じ取っていたのだ。そして大きくなったら、母を慰めたいとけなげに考えているのだ。幼い娘の発した言葉の謎が解けた。娘の真意は、私の想像を超えたものだった。」

「ママのお母さんになりたい」という言葉は、「大切な人を思いやり、支えたい」という、人間が本来持つ尊厳とやさしさを象徴する言葉だといえます。娘の一言は、母を思いやる心から生まれた〝自己表現〞だったのです。大人の想像を超える感受性を持つ子どもの心。人権とは、権利を主張することではなく、他者の立場に立ち尊厳を守ろうとする思いやりです。
母の悲しみを感じ取り、癒そうとする幼い姿は、「人が人を大切にする」という営みそのものだと思います。

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