文化 歴史と未来の架橋26

■栖雲寺(せいうじ)跡出土瓦製相輪(がせいそうりん)
栖雲寺は、上郡町赤松に所在する国指定史跡・白旗城の西麓に位置する中世寺院です。文献などの記録の中に一切登場しない実態不明の寺院ですが、赤松円心の次男・貞範の戒名に「栖雲寺殿」とあることから、赤松貞範が建立した寺院と考えられています。
また、1918(大正7)年、岡山県勝田郡豊国村(現・美作市)大字中尾字水上の果樹園で「播州栖雲寺」「永和戊午(1378年)」の銘文がある梵鐘(ぼんしょう)が発見されました。この梵鐘の存在から、栖雲寺の創建は14世紀後半と考えられています。この梵鐘は、現在、東京国立博物館に収蔵されています。
栖雲寺の瓦製相輪は、平成26年の発掘調査で出土しました。この瓦製相輪は、塔の頂部を飾る九輪の一部で、それぞれ輪(りん)部(外輪部)と轂(こく)部(内輪部)にあたります。輪部には轂部とつながる輻(や)部が約7cm残っています。ちょうど自転車などのタイヤ部分と軸部分、スポーク部分と言えばイメージしやすいでしょうか。
相輪は、青銅などの金属で造られることが多いのですが、栖雲寺の塔には瓦製相輪が載っていたことが判明しました。
この相輪は、復元すると輪部の外径が約80cm、轂部の内径は約6cmとなります。輪部は瓦質、轂部は須恵質とそれぞれ焼成度合いが異なるため、別の九輪であったと考えられます。
栖雲寺跡の瓦製相輪は、播磨地方で類例の少ない非常に貴重な資料です。