- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県宇陀市
- 広報紙名 : 広報うだ (2025年10月号)
毎回「薬草」に関わる内容を連載でお届けするコラムです。
■キク
菊花は、漢方では血圧降下やめまい、耳鳴り、腫(は)れ物の痛みなどに主に使われる生薬です。熱を下げ炎症を鎮める薬で、ほてりを鎮める効果もあります。特に黄菊は解熱作用が強く、よく使われます。
また、菊の花を乾燥して詰めた枕は頭痛を治し、血圧を下げ、安眠を誘うとされ、苦味の強い菊が使われる傾向にあります。
例えば日本に古くから自生しているシマカンギクなどの頭花は大変苦いのですが、長崎地方では独特の芳香があり、鎮静、催眠効果があるとして、客が来るとこの頭花の枕でもてなす習慣がありました。
一方、苦味の少ない菊の頭花を乾燥させると、薬用効果のある茶として使用できるとともに、また乾燥菊花はバラバラのまま、あるいはブロック状に固めて薬膳(やくぜん)材料として市販されています。菊花を使った薬膳料理もあり、乾燥菊の粉末をかゆに混ぜた菊花がゆは、自律神経失調症を改善する作用や高血圧、狭心症(きょうしんしょう)の治療、予防によいといわれています。
※当市で「薬草活用講演会」をしていただいた村上光太郎先生の連載より一部抜粋
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