- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県山添村
- 広報紙名 : 広報やまぞえ 令和7年12月号
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「できるだけ長く元気で過ごしたい」―このような願いは、どなたにとっても共通のものではないでしょうか。そのために大切なのが、実は毎日の軽い運動習慣なのです。
たとえば、1日たった15分の軽い散歩でも、健康に良い影響をもたらすことが、さまざまな研究で明らかになっています。2011年に報告された米国のハーバード大学が行った約40万人を対象とした大規模な疫学研究では、1日たった15分の軽い運動を継続的に行うことでも、健康寿命を維持できる効果があることが報告されています。これは、運動によって心臓や血管の働きが良くなり、また免疫力が高まる効果もあるためと考えられています。
一方で、長時間座ったままの生活は、健康に悪影響を与えることがわかっています。1日のうち座る時間が多い人ほど、早く亡くなるリスクが高まってしまうのです。しかし、デスクワークが多い方でも、定期的に体を動かすことで、そのリスクを大きく減らすことができるとされています。
また、運動は脳の健康やメンタル面にも良い効果があります。たとえば、週に数回散歩などの軽い有酸素運動を行っている高齢の方は、記憶をつかさどる「海馬(かいば)」と呼ばれる脳の部分の体積が保たれる、あるいは増えるという研究もあります。これは、認知症の予防や記憶力の維持につながると期待されています。
さらに、運動をすると、気分を安定させる「セロトニン」や「ドーパミン」などの脳内ホルモンの分泌が活発になるため、ストレスの軽減やうつ症状の緩和にも役立ちます。軽い運動のあとに気持ちが晴れやかになると感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
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大切なのは、激しい運動を無理に行うことではありません。ご自身のペースに合わせて、毎日少しずつでも体を動かすことが、健康を長く保つための一番の近道なのです。
今日からまずは、1日15分の散歩から始めてみませんか?
ただし、膝や股関節に痛みがある方は、痛みを感じたら無理に歩くことは避けてください。水を適当な量を入れた500mlのペットボトルを軽いダンベル代わりにして、上半身の筋肉をゆっくり動かすのもおすすめです。痛みや苦痛を感じない範囲で、できることから始めてみましょう。
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私は2024年4月に奈良県の山添村に赴任し、診療を始めてから1年半が経ちました。この村で診療業務をしていて、特に強く感じたことがあります。それは、80歳を過ぎても元気に過ごしておられる方がとても多いということです。以前は大阪・堺市の病院で勤務していましたが、高齢の方の元気さは、山添村のほうがはるかに上だと感じます。
その理由は、日常生活の中で自然と体を動かす機会が多いことにあるのではないかと思っています。農業に従事をされている方が多く、草刈りや田んぼの手入れなど、日々の暮らしの中で体を使っておられます。こうした活動が、健康長寿につながっているのでしょう。
この村での経験を通して、改めて「普段の生活の中で体を動かすことの大切さ」を実感しています。
東山・豊原診療所 担当医師:吉川 健治
