その他 シリーズ「松江の文化力×未来」

松江の文化力の次世代を担う人を紹介します!

■Vol.20 漆器・八雲塗を未来へ
原(はら)えりか
出雲市平田町出身。
高校生の時に漆器に興味を持ち、現在は松江・出雲を中心に製作活動を行っている。

松江藩の御用漆器として始まった「八雲塗」は、透明な漆を重ねて絵柄を際立たせる技法で、長い歴史を刻んできました。
私は、高校時代、島根県立美術館の伝統工芸展を訪れた際、漆器の繊細で美しい姿に心を奪われたことをきっかけに、漆器の世界を志すようになりました。
その後、知識や技術を身に付けるため、京都の専門学校へ4年間通いました。卒業後は松江市の山本漆器店とフリーランスの契約を結び、活動しています。近年、社員や弟子を抱える漆器事業者が少ない中、私の挑戦を受け入れてもらい、精力的に作品作りに取り組んでいます。
八雲塗の魅力は、漆を重ねることで浮かび上がる絵柄が、使い続けるほどに輪郭や色がはっきりし、時を経て美しさが深まるところです。
作業において、私が得意とするのは「絵付け」の工程です。同じ絵柄を均一に描きながらも、一つ一つにオリジナル性を感じていただける仕上がりとなっています。中でも、私も手掛けている「箸」は、八雲塗やま本の看板商品として、好評をいただいています。
私は現在、絵付け作業が多く、絵付けから塗りまで全てを施した自身の作品を販売するまでには至っていません。いつかは自身の作品で安定した収入を得られるようになり、そうした姿を見て、次世代の方々が同じように漆器の世界に飛び込める環境を作りたいと考えています。
また、アニメなどの現代カルチャーと漆器のコラボレーションにも興味を持っており、今後は多くの方がさまざまな角度で漆器に触れていただけるようにしたいと考えています。
お店では八雲塗の体験も行っていますので、ぜひ電話でお尋ねください。

この記事に関する問い合わせ:文化振興課
【電話】55-5517

八雲塗体験に関する問い合わせ:八雲塗やま本(山本漆器店)
【電話】23-2525