- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県松江市
- 広報紙名 : 市報松江 2025年6月号
高級食材 ハマボウフウ(浜防風)
「ハマボウフウ」という食材をご存知でしょうか。鮮やかな赤い茎に艶のある葉、セリのような独特の香りとほんのりとした苦み、シャキシャキとした食感が特徴のセリ科の多年草です。
ハマボウフウは、海岸の砂地に自生しており、夏のはじめに、カリフラワーを思わせる白く小さな花を密に咲かせます。かつては、日本各地の海岸で普通に見られたそうですが、砂地の減少や食用・薬用として乱獲が進んだことから、今では自生しているハマボウフウは、とても希少な野草となってしまいました。県によっては、絶滅の危機に瀕し、レッドリスト(※)に記載されていたり、保護されていたりします。
そんなハマボウフウの栽培を、八束町では約40年前に始めました。現在は「八束町はまぼうふう生産組合」が栽培に取り組んでいます。ハマボウフウの栽培は手間も時間もかかります。砂地の畑に種をまき、1~2年かけて根を成長させ、ある程度育ったら掘り上げて、ハウスの中に植え替えます。1週間ほどで新芽が出て伸びてくるので、柔らかいうちに摘み取ります。近隣の市場や大阪、広島などに出荷され、旅館や料亭などで刺身のツマや天ぷらなどに使われます。
年間を通して栽培・出荷されているハマボウフウですが、実は5月中旬から6月上旬にかけての限られた期間だけ、花芽のついたハマボウフウが出荷されます。あまり多くの量は出回りませんが、松江がハマボウフウの生産地だからこそ、産直売場で購入ができる逸品です。もし見かけたら運がいい!ぜひご賞味ください。
また、大根とともにシンプルに醤油漬けにした「はまぼうふうのしょうゆ漬け」も同生産組合から販売中です。ハマボウフウの香りと大根の食感がクセになりますよ。
松江特産ハマボウフウは、サラダやスープや和え物など、和・洋・中と幅広い料理でそのおいしさを楽しめます。ぜひ一度味わってみてください。
※レッドリスト…絶滅のおそれのある生物種のリスト
この記事に関する問い合わせ:農政課
【電話】55-5232
ハマボウフウに関する問い合わせ:JAしまねくにびき地区本部 八束特産事業所
【電話】76-2526