その他 シリーズ「松江の文化力×未来」

松江の文化力の次世代を担う人を紹介します!

■Vol.21 東片原町の鼕を「次世代に繋ぐ」
林宏樹(はやしひろき)
松江市片原町出身。
人生のモチベーションは「鼕行列」。
将来は実家のレストラン西洋軒と、町内の鼕保存会若頭、両方の4代目/二刀流をめざしたいと意気込む。

松江祭鼕行列は、屋根付の山車(だし)屋台に据えられた鼕と呼ばれる太鼓を、笛やチャンガラのお囃子(はやし)に合わせて打ち鳴らし、屋台の綱を引いて市内中心部を行列するもので、松江の秋の風物詩となっています。
私の生まれ育った東片原町では、鼕の文化が根付いています。鼕行列の時期に練習場所となる京橋川に架かる幸橋は、松江城やカラコロ工房を望む絶景スポットでもあり、行き交う観光客が練習に飛び込み参加するなど、大変な賑わいとなります。
私は2歳の頃、鼕台の綱を引く役割で鼕行列デビューして以降、鼕に夢中になりました。また、中学2年生の時に、初めて鼕を叩いて練り歩くことを任せていただきましたが、その時の喜びや興奮、観衆の声を聞きながら練り歩いた景色は、今なお忘れられません。
私が思う鼕行列の魅力は「一体感」であり、まさに東片原町鼕保存会が得意としているところです。そのゆえんであるオリジナル楽曲「わっしょい」は、観衆を巻き込む唯一無二のパフォーマンスとして人気です。特に、全員で声を出し、高く飛び上がるパートは、とても見応えがある場面です。
一方で、その魅力も担い手が減ってしまっては、迫力に欠けます。世帯数の少ない東片原町も常に人手不足の問題を抱え、コロナ禍を経て、さらに鼕離れが進んだと感じています。
このように厳しい状況ではありますが、私は東片原町の鼕を守っていくと決意しています。それは、私たちに鼕を指導してくれた先代会長の「次世代に繋ぐ」想いを守ることでもあります。
現在、私は、保存会の総務委員として町外参加者への「おもてなし指導」に取り組む傍ら、より鼕を楽しんでいただくにはどうすべきか、日々模索しています。
これからも鼕を楽しむことを念頭に、東片原町の鼕の音を松江の街に響き渡らせたいと思います!

問い合わせ:文化振興課
【電話】55-5517