- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県松江市
- 広報紙名 : 市報松江 2025年10月号
秋こそ旬!とろける脂「鰆」
夏の暑さが和らぎ、徐々に秋を感じる時季になりました。海水温が徐々に下がり、冬支度を行うこの時季には、多くの魚が冬を越すために活発にエサを摂り、脂が乗ってきます。今回は、そんな魚の中から、「鰆(さわら)」を紹介します。
「?」が浮かんだ人もいるかと思います。「鰆」は漢字で「魚」へんに「春」と書くため春が旬だと思われがちですが、実は脂が乗った美味しい鰆が味わえるのは、秋から冬にかけての時季と言われています。5月から6月に産卵期を迎える鰆は、産卵後にはやせ細り、身の味が落ちてしまうことから、その前に多く漁獲され、その時季にちなみ「春」が付いたと言われています。
産卵後、水温の低下とともにエサを摂って身が厚くなった「秋鰆(あきさわら)」は、とろけるような脂の甘みと、しっとりとした上品な旨みが特徴です。特に、これからの時季の鰆は「寒鰆(かんさわら)」とも呼ばれ、日本の各地でブランド化され、高値で取引されるなど、まさに旬の魚です。
おすすめの調理法は、シンプルな塩焼き。皮目はパリッと、身はふっくらと香ばしく焼き上げると、口いっぱいに旨味が広がります。また、鰆と言えば、西京焼きも定番の調理法です。味噌の香ばしさと鰆の濃厚な旨みが相まって、ご飯のおともにぴったり。新鮮なものは、刺身やたたきで味わうのも絶品で、もっちりとした食感と、とろけるような脂の甘みが楽しめます。鮮度の落ちやすい鰆だからこそ、漁場が近く、新鮮な旬ものが手に入りやすいこの地域ならではの味覚でもあります。本市では、定置網や一本釣りで多く水揚げされ、これからの時季に漁獲量が増えてきますので、鮮魚コーナーなどで見かける機会が増えてくると思います。見かけた際には、旬もの「鰆」をぜひ手に取っていただき、食卓に秋を添えてみてはいかがでしょうか。
・定置網で漁獲された鰆。地域内で漁獲された鰆は鮮度抜群の状態で市場へ。
・鰆の料理は、塩焼き、西京焼きが一般的ですが、新鮮な鰆は、刺身でも絶品。
・目が澄んでいて艶があり、魚体は光をよく反射し、斑紋がはっきりしているものが鮮度がいいと言われています。
本紙の写真提供:(有)小川漁業(写真は本紙をご覧ください)
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