子育て 子どもたちの身体と心の健康を支えます 認定スクールトレーナー制度

◎リハビリテーション技術科 理学療法士(運動器の健康・日本協会認定スクールトレーナー)
影山 哲士(かげやまてつし)

■認定スクールトレーナー制度とは
認定スクールトレーナー制度は「運動器の健康日本協会」が創設をめざして準備をすすめ、本年2月に内閣府から公益目的事業として認定された新しい取り組みです。

市報8月号にて、今年度より理学療法士が小中学生などに対して運動器疾患・障がいの予防教育を実施し、児童生徒等の運動器の健康を推進するとともに、心身の健全な成長、発達に資することをめざす「スクールトレーナー制度」についてお知らせをしました。
当院リハビリテーション技術科は、今年度より正式に雲南市教育委員会・身体医学教育研究所うんなんと協働し、認定スクールトレーナーを学校に派遣する取り組みを開始しています。
昨年度より実際に学校現場からのお悩みなどを聴くと、「姿勢が悪い子が多い」、「よく怪我をする」、「昔の子たちと比べて体力がない子が多い」などの意見が多く聞かれました。
スポーツ庁によると、子どもの体力は昭和60年をピークに低下傾向の水準をたどり、特に新型コロナウイルスが流行した数年はより低水準となっています。
全国的に現代の子どもの運動習慣として、「運動の二極化」が問題とされてきています。分かりやすく表現すると「普段からたくさん運動している子」と「普段はほとんど運動しない子」とに分けられています。
何が問題かというと、両方ともに運動器(骨、筋肉、関節、神経)の機能を害する可能性があるということです。
運動をたくさんするということは体力の向上につながりますが、あまりに過度となると大人に比べて骨の強度が弱いのでけがをしてしまう可能性もあります(例:野球肘)。
また、あまりにも運動しないことによって体力の低下を引き起こし、姿勢が悪くなったり、不慮の事故・けが(例:転んで顔を打って歯が折れた)を起こしたり、生活リズムの乱れから肥満などの小児生活習慣病を引き起こすこともあります。
10月現在までに、西日登小学校・西小学校・田井小学校から依頼を受け、「姿勢や学童期の体づくりへの理解」、「楽しく運動に取り組むこと」などをテーマに、良い姿勢のポイントをお知らせし、実際に良い姿勢と悪い姿勢を体感してみたり、運動遊びなどを通して、まずは運動に親しんでもらえるような取り組みを行いました。皆さんが本当に真剣に講義を聞いてくれ、実技ではみんなが笑顔あふれる時間となりました。
今後も大切なお子さんの心身の健康を守るべく、学校や児童生徒、保護者の皆さんの希望に沿った内容や相談事業、運動器予備検査などの事業を検討していきます。