くらし ぬくもり情報局(2)スギの受粉と、成長が良く花粉の少ないスギの種子生産の取り組み

こんにちは 中山間地域研究センターです。

島根県中山間地域研究センターでは、令和5年度から成長が良く花粉の少ないスギ特定母樹の種子生産技術の研究に取り組んでおり、今後、花粉症の発生源対策になるだけでなく、林業経営の収益力向上にも寄与することが期待されています。そこで今回はスギの受粉と、種子生産現場での人工授粉についてお話をします。
スギは一つの木に雄花と雌花の両方が付く雌雄同株(どうしゅ)とよばれる樹木です。毎年2月中旬頃になると雄花が開花して花粉の飛散がはじまります。花粉は風に乗って数十キロ飛ぶこともあります。風に乗って運ばれた花粉は、別のスギの雌花に付着して取り込まれることで受粉します。このように花粉を風に乗せて運ぶ植物を風媒花(ふうばいか)といいます。
雌花は開花後に胚珠(はいしゅ)(種子のもとになるもの)から珠孔液(しゅこうえき)とよばれる透明な液体を分泌します。この珠光液に花粉が付着し、珠孔液ごと花粉が胚珠へ取り込まれることで受粉が成立して充実した種子が作られます。
種子生産の現場では、選抜したスギ特定母樹同士を交配させて種子を生産します。一方のスギから採取した花粉を、人の手で別のスギの開花した雌花へ吹き付ける作業を行います。珠孔液は1つの雌花から1週間程度しか出ないため、開花状況や珠孔液の分泌状況を見極めながらタイミングを逃さず授粉作業を行う必要があります。
いよいよ令和8年度から、これらの種子から生産された特定苗木が県内の造林地で植栽されはじめます!

問合せ:
島根県中山間地域研究センター森林保護育成科【電話】76-3822
中山間地域研究センター【電話】76-2025【URL】https://www.pref.shimane.lg.jp/chusankan/
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