くらし ルーツいいなん-50-

このまちに住んでいようと、なかろうと、ルーツをたどれば飯南町。生まれや育ちは違っても、飯南町に縁やゆかりがある。そんな人たちを紹介します。今回登場した人が次の人を指名。つながり続くよどこまでも。

◆日常に加える「1グラム」のスパイス
広島市安佐南区で古着屋「ichig(イチグラム)」を経営している渡部凪人さん(29歳)。店頭にはシルエットやデザインにこだわった、一点ものの古着が所狭しと並びます。
古着が好きな父親の影響で、昔からファッションに興味があったという渡部さん。「高校生までは服を買える場所も少なかった。大学生になり、好きな服を自分で選んで着ることがとても楽しかった」と話します。
大学卒業後、アパレルや営業職などを経験し、2023年10月に古着屋「ichig」を開店。コーディネートに取り入れることで、日常が楽しく、素敵になるアイテムを厳選しているそうです。
「一点一点こだわって買い付けているし、愛着もあります」と渡部さん。お客さんが商品を手に取り、喜ぶ姿を見るのがうれしいと微笑みます。
休日も服を見に出かけるほどファッションが好きだという渡部さん。都会は買い物も自由にできて楽しいけれど、心がリフレッシュできるのは島根に帰った時だと言います。
「昔は都会に憧れていたけれど、今は〝帰る場所〞が自然豊かなまちというのは良いものだと思っています」と故郷への思いを話しました。
お店を経営する緊張感もありますが、ファンも増え、未来は明るいと信じていると渡部さん。
次の目標は「お店を軌道に乗せ、両親を海外旅行に連れて行くこと」と、力強く話しました。

◇渡部 凪人(わたなべ なぎと)
頓原中、大田高卒業。広島修道大学英語英文学科へ進学し、アメリカ留学も経験。現在はアクセサリー作家でもある妻と共に、広島市で古着屋「ichig(イチグラム)」を経営。
お店のインスタグラム(@ichi_)では、自らがモデルとなり、着こなしなど古着の魅力を紹介している渡部さん。島根から友達が来店してくれることもありうれしいと話します。多くのファンに愛されているお店には、渡部さんご夫妻のこだわりが詰まっています。