- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県西ノ島町
- 広報紙名 : 広報にしのしま 令和7年5月号
■第519回西ノ島町議会3月定例会一般質問(要約)
◆吉田 歳造 議員
◇中学校の部活動地域移行について
中学校の部活動は、スポーツ庁と文化庁のガイドラインに基づき、令和5年度から3年かけて地域移行が進められているところである。島根県でも検討が始まっており、地域移行は単に受け皿を変えるだけでなく、持続可能で充実した改革が求められており、地域との協力体制、指導者の確保、生徒の希望に応じた活動環境の整備、地域の実情に合った段階的な取り組みが重要だと考える。これらを踏まえ、部活動の地域移行に対する方向性について、教育長の考えを伺う。
(回答 教育長)
国が令和4年度に策定したガイドラインに基づき、令和5年度から公立中学校の休日の部活動は地域移行が進められている。島根県では令和6年7月に部活動地域移行検討委員会が設置され、令和7年度中に市町村ごとで方針を策定するよう示されたところである。本町では令和5年度から学校と教育委員会で持続可能な部活動の在り方について協議を行い、令和6年度より地域クラブで活動する生徒への支援を開始した。今後は令和7年度中に部活動地域移行検討委員会を立ち上げ、地域の実情に応じた方針の策定に取り組む。小規模地域ならではの課題があるが、部活動の地域移行を「豊かなスポーツ・文化・芸術活動の環境を整える」機会と捉え、地域全体で子どもたちを育てる意識で活動環境の充実を目指していく。
◆仲吉 正 議員
◇(1)西ノ島町牧野利用検討協議会について
新規就農者を増やすためにも、利便性の高い公共牧野を利用できる仕組み作りが不可欠であり、公共牧野の利用調整に前向きな検討が必要との考えから「西ノ島町牧野利用検討協議会」が設置されたが、その後の会議の進捗状況について伺う。
また、町長は昨年の施政方針において、「牧野を効率的かつ効果的に活用していくためにアンケート調査を実施した。今後は県やJA、和牛改良組合等とともに公共牧野の有効利用に向けて意見交換を行う予定」と述べられたが、その成果についても伺う。
※「仲吉 正 議員」の「吉」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
(回答 町長)
西ノ島町牧野利用検討協議会は、各地区共励会、振興会や関係団体と行政が一堂に会し、公共牧野を最大限に有効活用する方法を検討することを目的として令和4年に発足した。
令和4年5月に第1回会議が行われ、この協議会の目的と、全農家にアンケート調査を実施することが確認された。同年8月の第2回会議では、アンケート結果が報告され、町の畜産業の発展に向けて「牧野の整備」、「新たな担い手の育成」、「増頭対策」が必要とする意見が多くあった一方で、居住地以外の牧野での放牧については賛否が二つに分かれた結果となり、その後の会議開催には至っていない。
令和5年度以降はアンケート調査や関係者による意見交換を行っており、新規就農者の受け入れについては概ね理解を得られるも、放牧に関しては条件付きの意見が多数である。町としても畜産業の将来に強い懸念を抱いているが、関係者の意見の調整や従来の考え方の変革には相応の時間が必要ではないかとも考えている。いずれにしても、こうした話し合いの場で、関係者が将来を見据えた公共牧野の利用ルールが新たに作られ、もしくは今のものを見直され、畜産農家によって適切に活用されることが本町の畜産業の維持発展に直結するものと考えている。今後もJAと連携を図り、協議会を通じて畜産業の将来を見据えた公共牧野利用関係者の意見の整理を図っていく。
(2)児童・生徒の島外遠征助成について
西ノ島町では、中学生が体育や文化活動で島外遠征する際の渡航費を助成し、離島の不利を軽減し活動の活性化を図っている。この補助金の令和6年度実績と令和7年度の見込みを伺う。
隣の隠岐の島町では小学生も対象に含め、補助額もより充実している補助金が制定されている。本町の補助要綱についても、利用者の意見を踏まえ、対象者の拡大や補助額の見直しを検討すべきと考えるが、教育長の見解を伺う。
(回答 教育長)
令和6年度の「西ノ島町地域クラブ活動参加費補助金」の交付実績は生徒3名に対し12万6千円、令和7年度の見込みは7名を対象に35万円を予定している。本制度は地域クラブで活動する生徒の渡航費を助成し、経費を軽減する目的で実施されている。対して隠岐の島町の補助はより活発な活動を促進することを目的としたものと認識しており、本町の補助金制度とは目的に違いがある。制度を拡充することにより活動の促進が期待される一方、クラブ活動の種目によって渡航頻度が異なり不公平性が生じることがあると考える。加えて子どもたちは土、日曜日に島外で活動し、休息を取ることなく学校に登校することから子どもたちへの過重負担が懸念されること、渡航回数増加による家庭の負担が懸念されることから現行制度で対応する方針である。