- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県西ノ島町
- 広報紙名 : 広報にしのしま 令和7年5月号
◆竹谷 実 議員
◇畜産振興について
畜産を取り巻く環境は、年々厳しくなるばかりで飼料価格は高騰する一方、販売価格は低迷している。
そこで、次の3点について町長に伺う。
(1)新規就農者に対する継続した支援について
後山牧の一部、トノズ道路から下を新規就農者の専用牧としてはどうか。
(2)700頭を目途に進めてきた増頭施策について
西ノ島市場の出荷頭数が減少しているが、増頭計画に沿って目標は達成されているか、検証はされているか。増頭計画に出荷頭数の項目を設けては如何か。
(3)高齢者が継続できる仕組みと支援について
新規就農者と高齢農家の分業化を含めた相互支援による仕組みづくりを町の指導で実現できないか。
(回答 町長)
畜産振興については、畜産農家の減少、高齢化により先行きが厳しい状況にあることから、町では新規就農者の確保や後継者の育成、増頭対策にこれまでも取り組んできたところである。
(1)新規就農者への支援は、新規就農者育成総合対策事業などを活用した初期投資への補助と所得保証などが柱になっている。新規就農者の専用牧ができることは継続した支援となり得る一案であると考え、今後の牧野利用検討協議会において検討していく。
(2)町では平成27年に肉用牛生産近代化計画を作成し、令和7年度には飼養頭数978頭、繁殖雌牛691頭とする目標を掲げているが、令和6年2月の段階で飼養頭数718頭、繁殖雌牛は522頭であり、事業縮小に伴う頭数減、また高齢化に伴う廃業などが響き増頭計画の達成は困難な状況にある。出荷頭数を計画に加えるというご意見は次期計画策定時の参考とさせていただきたい。
(3)新規就農者と高齢農家の分業化を含めた相互支援については、これまでベテラン農家が培ってきた知見の継承といった意味でも、有効な策となり得るものであると考えるため、その方法について検討を進めていきたい。
いずれにしても、町全体の畜産の将来を見据えて、JAや生産者団体と協力しながら取り組むことが必要だと考えており、そのためには畜産農家の皆様のご理解とご協力が欠かせないものと思っている。議員も専門的な見地からご協力を賜りたい。
◆三角 久男 議員
◇国土強靭化地域計画の見直しについて
現在策定されている国土強靭化地域計画は、国、県、町の国土強靭化の施策の推進状況などに応じ、計画を見直すこととされている。計画の施策を事業化し、実際に実施する内容を規定した別冊も併せて見直しがなされると考えるが、その内容について伺う。
また、計画の見直しに伴い次の事業を取り込み事業化することは可能か伺う。
(1)船越地区等の津波対策
(2)高潮対策
(3)基幹道路を維持するための対策
(回答 町長)
本町の国土強靭化地域計画は、令和2年度に策定して5年が経過することから、新たな「第6次西ノ島町総合振興計画」などとの整合性を図るため令和7年8月に見直しを予定している。計画の別冊には「町道改良事業」や「港湾施設長寿命化整備事業」など14事業が記載されており、うち「美田地区漁業集落環境整備事業」は期間内で事業が一旦完了するが、他の13事業は継続事業として延伸する見込みである。新たな追加事業は内容を精査して計画に位置付けていきたい。
なお、3つの施策の事業化などについては次のように考えている。
(1)船越地区等の津波対策
島前地域は島同士が防潮堤のような役割を有しており、島前湾に面した集落が津波の直撃を受けることは少ないと考えられるが、水深の浅さや閉鎖的な水系により潮位の急変が起こりやすい。現状では津波による潮位変動を防ぐ有効なハード整備はなく、町民の命を守るためには高台への避難が最優先である。津波ハザードマップの作成や更新、意識啓発と情報提供が重要であり、これらを進める方針である。
(2)高潮対策
大津地区の港湾整備は、低い岸壁による越波被害を防ぐための対策であり、高潮対策とは若干考え方が異なる。地球温暖化による海面上昇が問題となり、西ノ島町でも潮位の上昇を認識しているが、堤防建設や土地の嵩上げなどの対策は、景観や海岸の利用のしやすさ、また費用負担の問題から有益なものとは思えず、現段階での事業化は難しい。
(3)基幹道路を維持するための対策
西ノ島町の基幹道路は国道485号線と県道西ノ島海士線など、島根県が管理する道路が中心であり、それに準ずるものとして町道がある。これらの道路が通行不能になった場合は林道などが迂回路として機能するように整備されている。
町では計画の別冊にある橋梁等の定期点検や県による落石対策等と合わせて情報共有を行い、異常があれば修繕等の対策を実施している。今後も島根県と連携し、出来る限りの対策を進めていく。
西ノ島町議会 広報調査特別委員会
◆町議会3月定例会の概要
◇3月12日(水)
本会議 ※傍聴者5名
・町長施政方針並びに提案理由説明
・議長諸般の報告
・議案説明(人事案件2件、議案7件)
・質疑・討論・表決(9件全て原案どおり承認、可決)
・議案説明(議案24件)
・常任委員会による審査
◇3月13日(木)・14日(金)
・常任委員会による審査
◇3月16日(日)
本会議 ※傍聴者10名
・一般質問(4名)
◇3月17日(月)
本会議 ※傍聴者2名
・常任委員会審査報告
・質疑・討論・表決(24件全て原案どおり可決)
・閉会中の継続調査等の申出(了承)
※議決の一覧は西ノ島町ホームページをご覧ください。