- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県津山市
- 広報紙名 : 広報津山 令和7年5月号
■5月12日は民生委員・児童委員の日
子育てや介護の悩み、高齢者の生活の不安など幅広い相談を受けたり、地域の見守りや福祉サービスの情報提供をしたりするなど「地域のつなぎ役」として活動する民生委員・児童委員を紹介します。
◇民生委員・児童委員って?
民生委員・児童委員は、法律に基づいて国から委嘱されたボランティアです。各委員には担当地域があり、地域の皆さんからの福祉に関する困りごとや心配ごとを聞き、助けてくれる人や行政・専門機関につなぎます。
◇困ったときは委員にご相談ください
・高齢になり一人暮らしが不安
・介護や医療などのサービスを知りたい
・子育ての悩みを相談したい
・虐待の疑いがある家庭があるが、誰に相談したらよいか分からない など
※お住まいの地区の委員が分からないときは、市役所にご連絡ください
※相談内容は漏らさず、秘密は固く守ります
■民生委員・児童委員はこんな活動をしています
◇家庭訪問・安否確認・生活状況の把握をしています
一人暮らしの高齢者や生活上の問題を抱えている人、子育て世代などの家庭を訪問し、日常生活の悩みや心配ごとの相談を受けたり、近況や急病に備えた連絡先を確認したりします。
◇地域をいつも見守っています
担当地区を訪問することで、犯罪や虐待の防止につなげ、地域住民の安全や安心を守っています。
また、小・中学校での朝のあいさつ運動や授業参観も行い、子どもたちを見守っています。
◇福祉サービスの情報を提供し、関係機関につなぎます
相談内容は、子育て、介護保険、生活費、家庭内の問題、年金・保険、健康づくりなどさまざまです。福祉サービスの情報提供を行ったり、困りごとを関係機関や行政につないだりします。
■今年は民生委員・児童委員一斉改選の年です
民生委員は、市内各地区の町内会の推薦を受け、厚生労働大臣が委嘱する非常勤の地方公務員です。子どもの相談や支援を行う児童委員も兼ねています。子どもの相談や支援を専門的に行う主任児童委員も、地区ごとに配置しています。
民生委員・児童委員、主任児童委員の任期は3年です。今年は全国一斉に改選があります。新たな任期は、12月1日からです。町内会からの推薦者の審査、厚生労働大臣に候補者を進達する手続きを進めています。
◇津山市の民生委員・児童委員数
(主任児童委員を含む。令和7年3月1日現在)
■民生委員制度は岡山県が発祥
約100年前の第一次世界大戦後、全国には多くの生活困窮者がいました。当時の岡山県知事の笠井信一が、大正天皇から「岡山県内の貧しい人々の状況は」と尋ねられ、貧困状況を調べました。調査の結果、県民の約1割(約10万人)が大変な生活状況でした。知事は、生活困窮者を救済する研究を始め、ドイツの「救貧委員制度」を参考に、大正6年(1917)5月12日に済世顧問制度を作りました。
「済世顧問」は生活困窮者の相談相手になりました。社会奉仕の精神を持ち、貧困を防ぐこの活動が、のちの「民生委員」の礎になりました。
また、岡山県は「児童福祉の父」と呼ばれた宮崎県出身の石井十次(じゅうじ)と縁があります。石井は、明治期に現在の岡山大学医学部に入学し、医学実習中の診療所で、生活に困っている一人の親から「我が子を孤児として預かって欲しい」と懇願されました。
「医者になる者は他にいるが、孤児救済は、わたしにしかできない」と考えたことをきっかけに、医学書を捨て、児童福祉の道を進みました。その後、一生を全国の孤児救済に捧げる覚悟で「岡山孤児院」(岡山市)を開設しました。これが、日本で最初の孤児院になりました。
問合せ:生活福祉課(市役所1階12番窓口)
【電話】32-2064