- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県津山市
- 広報紙名 : 広報津山 令和7年5月号
■津山城跡の瓦の模様
津山城跡で発掘調査を行うと、出土する遺物の大半は瓦です。なかでも、模様が描かれた瓦は軒先に葺(ふ)かれます。出土した瓦の模様、特に出土例が多い軒丸瓦(のきまるがわら)と軒平瓦(のきひらがわら)、桟瓦(さんがわら)の模様について紹介します。
軒丸瓦(図(1))の模様はほとんどが三みつ巴どもえ文です。作られた時期によって、巴の尾が短くなるなど、形が少し変化します。大きさは直径13~21センチ前後で、建物によって大きさが異なっていたと考えられます。
軒平瓦(図(2)右下以外)は、中心に文様が描かれ、外側に向かって唐草文が伸びるものが一番よく出土します。中心の文様は桐の葉、三葉、宝珠、三巴があり、この中でも桐の葉は葉脈が描かれるなど丁寧な作りです。三葉と宝珠は、葉の形が違うもの、宝珠文が凹形に彫られているもの、中心の文様や唐草文の数・形が違うものなど何種類かあります。三巴は、線の太さなどに違いはあるものの、今のところ形は1種類しか確認できていません。
外側の文様は唐草文のほかに雲や波が描かれている瓦が出土しており、図(2)の右真ん中のものは波に菊が描かれています。
桟瓦(図(2)右下)は、江戸時代前半に作られたといわれています。津山城跡では文化6年(1809)の火災に伴い廃棄された遺構から大量の瓦が出土しており、その瓦の半数以上が桟瓦であったことが分かっています。唐草文に三葉が描かれたものが多く、他には波に魚や月、ウサギが描かれたものが出土しています。図(2)右下の桟瓦の、波の間から出ている魚が見えるでしょうか。
※図は本紙をご確認ください。
問合せ:津山弥生の里文化財センター(沼)
【電話】24-8413