- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県高梁市
- 広報紙名 : 広報たかはし 2025年4月号(246号)
高梁川水系のシンボルであり、市民みんなで美しい環境を守る象徴として、市の鳥を「ヤマセミ」としています。今や絶滅危惧種となっているヤマセミですが、その個体数の少なさ故にご存じでない人もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、高梁野鳥の会の黒田聖子会長へ、ヤマセミの生態や現状などについてお話を伺いました。
◆高梁野鳥の会 黒田(くろだ)聖子(せいこ)会長
ヤマセミは、絶滅危惧II類に指定されており、個体数は少なく、生息地は県内全域に局所的です。1980年代には180羽程度が確認されていましたが、2017年には20羽程度までに激減しています。今後も個体数が減少する可能性が高く、営巣地となる土崖の減少や採食に適した河床環境が減少しているため、分布が拡大しているカワウとの競合など餌生物の減少も危惧されています。
高梁市での観察例は2022年の3月以降まったくなく、本当に危機的状況です。手探りの状態ですが、ヤマセミを含め、自然を守っていくために今後も活動を続けていきたいと考えています。皆さんにもまずは野鳥や自然について関心を持っていただきたいと考えていますので、もし気になることなどがあればいつでも高梁野鳥の会へご連絡ください。高梁の豊かな自然を守るため、一緒に考えていきましょう!
また、5月11日(日)に高梁自然公園で愛鳥週間にちなんだバードウォッチングを行います。双眼鏡の貸し出しも行い、初めての人も大歓迎ですのでぜひご参加ください。詳しくは、高梁野鳥の会【電話】090-5136-7143へご連絡いただくか、高梁野鳥の会公式LINEよりお問い合わせください!
◆ヤマセミ
(平成17年9月7日に市の鳥として制定)
分類:ブッポウソウ目カワセミ科(カワセミと同じ仲間)
分布:日本では北海道・本州・四国・九州の山地の川や湖沼・ダムなどに留鳥として分布
生息状況:山麓から山地の渓流やダム湖などで、水辺の横枝や岩場・電線などに止まって魚をねらって水中に急降下して魚を捕獲する。急勾配な土手や崖に巣穴を掘って巣作りをするが、その様な崖が少なくその生息数も近年激減した。