子育て 育てよう鏡野のよい子シリーズ

■「父の励ましと未来」
人には誰しも苦手なことがあります。家庭では気にならなくても、学校の授業となると、気が重くなることもあるでしょう。
私自身、子ども時代は、友だちとの遊びは大好きで、家に帰ると竹馬や野球、かくれんぼなど周囲が暗くなるまで遊んでいました。
それでも、学校の体育の授業となると、どうしても苦手意識がありました。我が家では両親や兄も運動が得意で、誰かと比べられることはありませんでしたが、どこかで期待に応えられていないという気持ちを持ち続けていました。
学生時代、跳び箱やマット運動の授業があると、私はよく父に「やりたくないなあ。」と半ば愚痴のように話していました。すると父はすぐに、家の畳の上で前転や後転、倒立、台上前転の体の使い方を実際に見せてくれて、笑顔でやり方を説明してくれました。
父は少しでもできるようになると、何度でも褒めてくれました。大きな進歩ではなくても、それがうれしくて「もう少し練習してみよう。」と思えたのを覚えています。練習の最後に、父はいつもこう言ってくれました。「陽子は大器晩成型だから、がんばって。」大器晩成とは、「偉大な人間は世に出るまで時間がかかり、遅れて頭角を表す。」という意味の故事成語です。
当時の私は大げさな話だと思ってはいましたが「今できるかどうか」にとらわれなくてもよいという言葉は、私の心を軽くし「未来の自分に思いを託せばいい。」と考えることができました。それが私の自己肯定感へとつながっていったのです。
今、私が子どもたちを教える立場になって大切にしているのは、気持ちに寄り添い、共に解決策を探ることです。そして、父がしてくれたように、どんな声掛けが未来への希望を持たせてくれるのかをいつも考えてます。人生の先輩からの励ましが、何年も経ってから、その人の中で花開くことを忘れずに、これからも、子どもたちの教育に携わっていきたいと思います。

鏡野町生徒指導推進連絡協議会
大野小学校 片山陽子