くらし 火の山 HINOYAMA HERITAGE PARK(1)

■火の山
火の山山頂は、昼夜船が行き交う国際航路・関門海峡と、そこに架かる関門橋に加え、周防灘・響灘、九州を遠望できる、全国に、そして世界に誇る絶好の眺望地です。
火の山という名前は、古くは平安時代から外敵への備えや神事を目的として山頂に「のろし場」があったという伝承に由来します。
関門一帯の眺望地は、明治半ばから第二次世界大戦にかけて、東京湾、大阪湾に次ぐ要塞地帯となり、国防の要として厳しい統制下に置かれました。
戦後は、公園として整備され、昭和31年には瀬戸内海国立公園に指定。かつては市内外から多くの観光客でにぎわいましたが、時代の移ろいとともに訪れる人はピーク時の5分の1にまで減り、施設の老朽化も課題となっていました。
そんな火の山が、いま、未来に向けて動き出します。ロープウェイに代わる新たなシンボル・パルスゴンドラや新しい展望施設の整備、山頂のレクリエーション施設など、自然・歴史・眺望・夜景を楽しむ、新たな公園づくりが始まっています。

■もっとみんなの火の山に。
もっと世界のHINOYAMAに。

●今後の計画
▽令和7年度
・展望デッキ(ヒノヤマリング)
・アスレチック
・キャンプ場

▽令和8年度以降
・パルスゴンドラ
・屋内展望施設
・芝生広場
※現時点での予定であり、工事進捗等の状況により遅れる可能性があります。

▽CONCEPT 再整備計画のコンセプト
(1)火の山を、これまで以上に海峡の魅力をゆっくり味わえる場所に
(2)未来を担う子どもと、その親世代の遊び・学びの場として、火の山を光り輝く未来を育むフィールドに
(3)山そのものを関門海峡の未来を照らす灯台に見立て、光を生かしたランドマークに
市民の火の山への親しみや愛着をベースに、火の山の特徴を生かし、観光客の滞在時間や夜間利用が増えることを期待しています。

■特別な海峡景色 VIEW
二重のリング状のデッキを巡りながら関門海峡の絶景と共に公園の自然や遺構も体感できる、歩いて移動することでさまざまな眺望を体験できる回遊式の展望台を整備します。かつて市民の、そして観光客の思い出として強く印象付いている回転式レストラン・旧展望台と同じ中心点を持つヒノヤマリングは、中央に大きな余白を残し、地形の高低差とリング状のデッキのレベル差を生かした円形劇場のような空間をつくっています。音楽祭やキャンプファイアなど、さまざまなイベントに活用でき、観光客だけでなく、市民が日常的に利用できる場所を目指しています。
・山頂からの夜景は、日本夜景遺産にも認定されている。
・美しい星空の下、ヒノヤマリングでたき火を囲んで仲間と語らう夜。

▽ヒノヤマリング設計チーム
一級建築士 永瀬智基さん
新しい展望台は「ヒノヤマリング」という名前を提案しました。かつて回転レストランで食事をし、冒険の森で遊んだ思い出を語る大人たちのように、これから公園を訪れる子どもたちにも、大人になって施設を親しみのある愛称で呼び合えるような――そんな、世代を超えて愛される場所になることを願っています。

▽市民インタビュー なかむらみゆさん
子どもの頃、よく父に火の山に連れて行ってもらいました。大人になってからも、懐かしく思い出す、私の原風景です。本当に景色が抜群なんですよね。少しでも長く山頂に滞在できるようキッチンカーが出店できるといいなと思います。ヒノヤマリングは円形劇場みたいで、イベントをするにはもってこいですね!