- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県萩市
- 広報紙名 : 広報はぎ 2025年6月15日号
市では、異なる視点・幅広い視野・知識と情報のネットワークを広げ、多様な人材を育成していく場として実務研修派遣を行っています。
■(一財)自治体国際化協会(クレア)に派遣
企画政策課(課長補佐)村田直之
派遣期間:令和4年度~令和6年度(3年間)
私は令和4年度には、クレア東京本部の多文化共生課において班長を務め、外国人住民との共生を推進する地方自治体への支援に従事しました。さらに令和5年度からの2年間は、クレアニューヨーク事務所にて海外活動支援担当責任者として勤務し、全国各地の地方自治体から寄せられる年間約100件の支援案件に対応してまいりました。このほか、各種研修や現地での生活を通じて得られた成果や知見について、以下に抜粋してご報告いたします。
▽派遣先の目的・背景
クレアは地方自治体の国際化を支援する団体です。地方自治体は同団体への職員派遣を通じて海外での勤務や研修、生活経験により多様な価値観や幅広い人間性を育み、グローバルな視点での政策立案に資する力を養うことを目指しています。
▽全米最大級の旅行博への出展
令和6年1月にニューヨーク市内で開催された全米最大級の旅行博「トラベル and アドベンチャーショー」では、日本政府観光局(JNTO)の現地事務所とともに、地方自治体の観光PRを行いました。
クレアニューヨーク事務所の主担当として企画・運営・現場のマネジメントを行い、消費者の傾向や、広報媒体、接客ノウハウなど、日米間の違いを学ぶことが出来ました。結果的に、展示会場の最優秀展示に贈られる「The Best in Show」を受賞したことは、自信につながりました。
▽研修や日常生活で得られる圧倒的な経験値
赴任中の2年間、ワシントンD.C.やボストンといった米国東部の都市に加え、アトランタ、サン・アントニオ、ニューオーリンズ、フェニックスなど、経済発展が著しい南部地域を中心に、出張や研修を通じて数多くの都市を訪問し、アメリカ合衆国に対する理解をより一層深めることができました。
また、生活の拠点となったニューヨークでは、地域社会に積極的に関わりながら、現地に足を運んでの情報収集や調査を行うとともに、萩市の魅力発信にも努めてまいりました。
これらの活動を通じて、「ニューヨーク山口県人会」の設立に至り、事務局長を拝命することとなったことで、山口県と萩市、そしてニューヨークとの間に、中長期的な交流と連携の架け橋を築くことができたと考えています。
▽世界一の街に立てた萩の旗
令和6年8月には、萩市が「萩の清酒」を「萩焼の酒器」で楽しむイベントを開催しました。
本イベントを契機に、ニューヨークにあるトップレベルの日本料理店(農林水産省より「日本食普及の親善大使」に任命されたシェフが在籍)で、約4カ月間にわたり「萩の清酒」と「萩焼」の紹介が行われました。
さらに、世界で最も多くの観光客が訪れるエンパイアステートビル内に、日本人で初めてテナント出店をした寿司店でも、萩焼を取り扱っていただけることとなりました。
▽今後、萩市でどう活かしていきたいか
イベントを開催したことで、ニューヨークに萩市を応援してくださる方が多く生まれました。すでに本年4月からは、そうした皆さまが続々と萩市を訪れており、今後は来訪者の皆さまを温かくお迎えするとともに、萩の魅力的な人々との交流の機会を設け、双方のつながりを深めるお手伝いが出来ればと考えています。
また、ニューヨークでの経験と得た多くの知見は、市の業務の枠にとどまるものではありません。
今後も引き続き、プライベートの時間も活用しながら、地域社会への還元に努めてまいります。