- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県平生町
- 広報紙名 : 広報ひらお 令和7年(2025年)6月号 No.1358
『戦後80年、昭和100年と平生町』
阿多田交流館
2025年は、戦後80年であり、昭和100年にあたります。
戦後80年、日本は平和な時代が続いています。私たちはこの平和を守り続けていかなければなりません。そのためにも昭和100年を改めて考えることには大きな意義があります。
昭和20年までは、満州事変~日中戦争~太平洋戦争と戦争が続きました。戦争は総力戦という形をとり、「ヒト」「モノ」「カネ」全てをつぎこみ、戦いの場も戦場だけでなく、国土全体を巻き込むものとなりました。次第にアメリカの圧倒的な軍事力に抵抗の術をなくし、絶望的な戦いを強いられ、人間自身が武器となり敵に体当たりを敢行するようになりました。
人間魚雷「回天」は特攻兵器の一つであり、平生にはその訓練基地がありました。平生基地は、1945年3月1日、水中特別攻撃隊(特殊潜航艇「蛟龍・海龍」と人間魚雷「回天」)の訓練基地として阿多田半島に開設されました。この平生回天基地からは若い特攻隊員が出撃した記録が残っています。
阿多田交流館には、太平洋戦争中の潜水学校や水中特別攻撃隊にかかわる貴重な資料を多数展示しています。平和について考える一助としてどうぞご観覧ください。
◆平和について考える
5月20日に、平生中学校1年生が校外学習で阿多田交流館を訪れ、戦争の歴史を学ぶとともに、平和についての考えを深めました。実行委員の生徒が中心となり、『考えよう平和 深めよう絆』をスローガンに企画された学習では、この日に向けて全員で折った千羽鶴を持参し、はじめに回天慰霊碑前で平和集会が行われました。阿多田交流館では、指導員から『人間魚雷回天』により尊い命が犠牲となったことや、戦地へ赴く人たちへ「無事に帰ってきてほしい」という願いを込めてつくられた『千人針』等の説明があり、館内に展示されている資料や遺品を見学しました。
学習を終え、代表生徒からは「平和に暮らせるために、みんなにやさしく、困っている人がいたら助けてあげたい」「平和に過ごしていけることに感謝していきたい」と力強い発表がありました。
当日は班別ウォークラリーもあり、町の文化や史跡に触れながら、地域についての理解を深める日となりました。
◆平和の誓い
私たちは、争いのない平和な日常を作るために、次の2点を大切にします。
1.私たちが生まれる前、戦争によって多くの尊い命が失われたことを忘れずに、1日1日を大切に過ごします。
1.平和とは何か、どうしたら平和に過ごせるのかを考え、それを実行します。
この2つのことを胸に刻み、平和な未来を築いていくことをここに誓います。
令和7年5月20日
平生町立平生中学校 1年生一同