くらし 新春座談会 徳島市の防災を考える 遠藤市長×徳島市防災サポーター(2)

◇それぞれの日頃からの備え・心構え
(市長)私は寝るとき、真っ暗でもすぐ履けるように枕元に靴を置いています。徳島市役所の危機管理課の職員から教わった方法で、毎日その靴が目に入ることで、防災意識を忘れずにいられると感じています。枕元が難しければ、寝室の出口付近でもよいと思います。皆さんはどうされていますか。

(鈴江)非常用の持ち出し袋に水やすぐ食べられる食品、ビスケットや栄養補助食品などを準備しています。また、学校の防災クラブに所属し、避難訓練の際は、啓発活動や防災に関する説明を行うなど、防災意識を高める取り組みをしています。

(藤野)日常生活の中でも、ふとした瞬間に「もしここで地震が起きたらどうしよう」と考えるようにしています。例えば家族で旅行に行ったときに災害が起こったら、家族をどう守るかなど、避難や周囲の安全を意識するようにしています。

(市長)多くの人は日常生活の中で、防災意識を忘れがちです。災害後しばらくは教訓が語り継がれますが、時間が経つと日常が戻り、経験が伝わりにくくなることがあります。普段からの意識が大切ですよね。野口さんはいかがでしょうか。

(野口)私は車に防災ボトル、かばんに防災ポーチを常備しています。東日本大震災の発生時、東京に住んでいたのですが、自宅に一晩(ひとばん)帰宅できず、さらに、コンタクトを無くしてしまって、とても不安な思いをしました。それが怖くて、コンタクトの替えと小さなライトなどを必ず持つようにしています。防災ボトルの中身は全部100円ショップのものです。1日でもしのげるということが心の安心にも繋がりますし、準備の大切さをラジオやSNS(えすえぬえす)で発信していて、実際に「作ってみたよ」という声も届いています。そういう取り組みが広がるといいなと思います。

◇徳島市の取り組み
(市長)徳島市の取り組みについて紹介させていただきます。
まず、徳島市役所本庁舎(ほんちょうしゃ)北側で、徳島市危機管理センターの整備を、今年完成予定で進めています。この危機管理センターは災害対策本部としての機能が充実しています。情報収集分析機能、情報伝達発信機能を強化し、自動で沿岸部へ飛んで帰ってくる高性能のドローンを用意しています。昭和南海地震の際、何かに掴まって浮いていて流された方(かた)が結構いらっしゃったそうです。ドローンがあれば、潮の流れを予測し、助けを求めている方かたの早期発見に繋がると思います。
また、備蓄の面では子どもや女性、妊産婦の方(かた)を対象とした備蓄品の整備に力を入れています。
防災サポーターの皆さんのご意見を参考にしながら選定を行いました。具体的には、子ども用のおもちゃ、アレルギーのお子さんのための米粉クッキー、衛生用品、妊産婦用の肌着、授乳ケープなどです。また、ポータブルトイレ、簡易ベッドの整備も今(いま)一生懸命進めているところです。避難所で皆さんが安心安全に、心穏やかに生活していただけるように整えることはとても大切です。
それから、大規模災害の発生を想定した「徳島市民総合防災訓練」も年2回行っています。防災サポーターの皆さんにも参加していただき、地域住民の方(かた)と連携して避難所での運営や生活などを実際に体験していただいています。

◇徳島市にもっと必要なことは
(市長)徳島市に、もっとこうした方(ほう)が良いというご提案はありますか。

(鈴江)学校には徳島市の備蓄品があり、先日も徳島市の職員の方(かた)がポータブルトイレを届けてくれました。食料などいろんな物資は既に揃っていますが、その備蓄品を上手く活用できる人の育成も大切だと思います。

(藤野)徳島市の職員の方々は毎日知恵を絞って、いろんな対策などを考えていらっしゃると感じています。そういった徳島市の活動をもっと徳島市民の方々に知ってもらう機会があればいいなと思いますね。我々も、そこを紹介していきたいです。

(野口)防災サポーターの任命式のときに、女性用の備蓄品などを見せていただきましたが、これだけ力を入れている市は珍しいと感じましたし、皆さんのご家庭でも備蓄品を揃える参考になると思うので、徳島市の備蓄品について発信するのはどうでしょうか。また、ラジオ番組を担当していて、防災の意識は地域によって本当に差があると感じますので、地域の防災意識の差をなくしていける取り組みが必要かと思います。

(市長)皆さんのお話にあったように、人材の確保や徳島市の備蓄や防災活動を知ってもらうことは大切ですね。それに加え、個人での備えも欠かせません。地震では、まず揺れから命を守ることが基本で、徳島市では既存木造住宅の耐震診断、耐震改修の支援を行っています。自分の家が不安な方(かた)は、耐震診断や改修を検討し、家具もしっかり固定してください。沿岸部に住む方(かた)は、とにかく逃げることを意識していただきたいです。

◇皆さんへのメッセージ
(市長)皆さんから、広報とくしまをご覧いただいている方々に、何かメッセージはありますか。

(鈴江)一人ひとりの小さな防災への心がけが、まち全体の防災力を高めるきっかけになると思うので、ぜひ今回の記事をきっかけに、避難リュックの準備や見直し、近所の避難所・避難場所の確認をしていただけたらいいなと思います。

(野口)災害が起きた時は、「普段以上の力は出せない」とよく言われるように、日常の行動がいざというときの避難に繋がると思います。耳が痛いと言われても、防災への呼びかけを続けて、みんなが「こうなった時はこう動く!」という行動が自然とできるように呼びかけていきたいです。

(藤野)「枕元に靴を置きましょう!」というような、日々何かを見て防災を意識するという訓練の大切さを皆さんに伝えたいです。私たちの記事を見て、皆さんの意識や行動が少しでも変わってもらえればいいなと思っています。

(市長)自分で考えて助かる行動をすることが大切ですよね。藤野さんと野口さんは発信力が非常に強いですから今後も頼りにしています。鈴江さんは、これからの人生で立場が変化していくでしょうが、その時ごとに自分ができることをしっかり続けて、周りの人たちの見本になってくださいね。広報とくしまをご覧いただいた一人でも多くの方々が、問題意識を持って行動してくださることを願っています。ありがとうございました。