くらし 第85回 故郷を知る!!

■日本遺産藍のふるさと阿波~日本中を染め上げた至高の青を訪ねて~
▽藍と吉野川~吉野川の川湊~ 市久保渡し
市久保渡しは、吉野川の北岸(撫養街道)と南岸(伊予街道)を結ぶ道路で、幕末までは駅路寺(えきろじ)(福生寺)と関係した渡しであった。天保11(1840)年の吉野川絵図に「ワタシ」と記載されていることから、その頃には存在していたと推測される。高越山や剣山に登る修験道者や、大滝山・八栗寺に参詣する利用客が多かったが、借耕牛(かりこうし)(阿波の北方農家は、讃岐の農家に対して農耕牛として牛を貸与し、対価として米を受け取っていた)もこの渡しを通っていたという。
この渡しは流れが速く、水泳者の溺死や船の転覆事故などがよく起きており、川岸に向かって水難者を供養する地蔵が建立されていた。現在は堤防の内側に安置されている。