- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県今治市
- 広報紙名 : 広報いまばり 2025年7月号
■便秘の話
今治市医師会 赤坂秀司
今般、平均寿命の延長やストレスに満ちた生活、食生活の変化などにより、便秘の症状をお持ちの方が増えています。一般的には「1日1回、朝食後にいきまず排便」が理想的といわれていますが、実際には排便回数や時間に不満がある方が多いのではないでしょうか。一言で「便秘」といってもいろいろなタイプがあります。最も多いタイプは「機能性便秘」で大腸や直腸・肛門の動きが乱れる結果起こります。またその中には大腸を動かす筋肉が緩んで起こる「弛緩(しかん)性便秘」、大腸の動きに連続性がなく便の通過に時間がかかりすぎて起こる「痙攣(けいれん)性便秘」、更に通常直腸まで運ばれてきた便が肛門括約筋を緩めるセンサーに働き排便が起こるのですが、その感度が鈍り便秘になる「直腸性便秘」などがあります。加えて他にも薬剤性や器質性便秘(癌や腸閉塞など)のタイプもあります。現在はそれぞれのタイプによりいろいろな治療薬や治療法が開発されていますので、個々のタイプにあった薬剤や治療を適切に受けて快便生活を送りましょう。
最後に少し面白い話をします。地球上に哺乳類は約6,000種類いるといわれています。その中で測定可能な哺乳類の排便時間を測定すると、なんと身体の大きさにかかわらず12秒±7秒だそうです。おそらく無防備な時間をできるだけ短くし、天敵からの攻撃を避けるための習性だと思われます。今後いつの日にか人間にも天敵が現れれば便秘も解消するかも…。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。