- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県八幡浜市
- 広報紙名 : 広報やわたはま 2025年12月号
■「西田昌矢さんの生き方に学ぶ」
~人権・同和教育推進者研修会に参加して~
保内中学校 村上 剛
2022年、日本の人権運動の礎となった「全国水平社宣言」から100年を迎えた。この水平社宣言は、「全国に散在する吾が特殊部落民よ団結せよ」と呼び掛け、差別と闘うことを決意した人たち自らが高らかに掲げた歴史的な人権宣言である。2016年に施行された部落差別解消推進法には、「現在もなお部落差別が存在する」と明記されている。あれから100年余り。未だ、部落差別は私たちの社会に根強く残っている。
西日本新聞社では、「水平社100年」の特集を組むことになった。その構想を聞いた時、若き記者が、「やりたいです。」と思わず答えたのだ。その若き記者、西田昌矢さんと今日巡り合うことができた。
小学校の頃、地区の学習会で、地域の先輩の結婚差別の体験談を聞いた。記者になってから母との会話の中で、「あんたには『普通』の場所で暮らしてほしい」と絞り出すように吐露した母の言葉に、部落問題の重さを感じる。
終わりに西田さんは、次のように締めくくられた。「部落問題だけではない。性的少数者、在日外国人、障がい者…。生きづらさを抱えている『当事者』はすぐそばにいる。身近な人の切実な願いに応えられる新しい時代を、みんなでつくりたい。」
西田さんの決意に、私たちはどのように応えなければならないのか。目の前にいるこどもたちと誠実に向き合い、真剣な学びを続けていくしかないと感じた。逃げずに向き合う覚悟や勇気をいただいた。
