子育て 世界にふれ、未来をひらく ~大洲市中学生等海外派遣事業~(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県大洲市
- 広報紙名 : 広報おおず 2025年11月号
■貴重な体験と大切なつながりが生まれた12日間
大洲市では、(公財)桝山教育振興会の協力を得て、中学生などを対象とした海外派遣事業を実施しています。この事業は、異国の文化や歴史、生活習慣、国民性の違いなどを肌で感じることで、国際化時代にふさわしい次代を担う人材の育成を目的としています。
今年度は、市内在住の中学生12人と市内の県立高校に在学する高校生2人を、7月29日(火)から8月9日(土)までの12日間、オーストラリア・シドニーに派遣しました。派遣生たちは、現地学校での授業や9日間のホームステイを通して、語学研修やさまざまな交流を行いました。
異文化に触れ、視野を広げたみなさんの感想を紹介します。
●不安から自信へ冒険の先にあった成長の一歩
大洲南中学校 井上 光(ひかる)さん
オーストラリアでの生活はワクワクでいっぱいでした。何もかもが初めてで、環境や食べ物、言語など苦戦することもありましたが、次第に慣れていきました。現地の学校で聞こえてくる言葉はすべて英語。自分の英語が通用するのか、仲良くなれるのかと不安になりましたが、話したり遊んだりする中で徐々に自信が持て、相手の言いたいことを理解し、自分の思いが伝わった時は会話がとても楽しく感じました。そして自信がついた僕はいろいろなことに挑戦。アボカドやキムチを食べたり、馬に乗ったり、チェスをしたりと初めての体験をたくさんしました。挑戦することはとても勇気が必要だったけれど、今思い返すと挑戦してよかったと感じています。
やっと慣れた頃に訪れた別れは悲しかったですが、最後に仲良くなった生徒とハグをしたとき、本当にここに来てよかったと思いました。この派遣事業は大きな成長の第一歩で、一番の冒険でした。みんなでつくった思い出は、大きな財産になりました。
●大切なのは“伝える気持ち”これからもチャレンジ!
大洲東中学校 岡花柚葉(ゆずは)さん
海外に行くのが初めての私は、英語が聞き取れるのか、自分から話しかけられるのかと不安を抱えて出発しました。実際にオーストラリアへ行くと、現地の学校の人たちはとてもフレンドリーで、笑顔であいさつしてくれたり、話しかけてくれたりしました。ホストファミリーも親切で会話がしやすく、生活や文化を学ぶことができました。交流を重ねる中で、英語は思ったより通じるものだと実感し、たとえ文法が不完全でも伝えようとする気持ちが大切だと学びました。ホストファミリーとは、趣味や名前の由来を話したり、日本のアニメを一緒に見たりと楽しい時間を過ごしました。また、トイレや土足文化、シャワーなど日本との違いにも気づきました。
この海外派遣事業を通して、普段できない貴重な体験をすることができました。反省点もありましたが、今後の人生に生かせるように、英語を勉強し、将来なりたい自分になるためにいろいろなことにチャレンジし、コミュニケーション能力を高めたいと思います。
●成長を実感、そして夢への挑戦
大洲北中学校 亀岡沙奈(さな)さん
私は今回初めて海外に行き、大きく成長することができました。出発前は現地の人と会話できるか不安でしたが、12日間はあっという間で、とても楽しく過ごせました。ホストファミリーは温かく迎えてくれ、単語やジェスチャーで一生懸命話すと最後まで聞いてくれました。相手に伝わったときや、日本語であいさつしてくれたときは嬉しかったです。
特に印象に残ったのは多文化社会ということです。ホストブラザーが学校にはさまざまな国の出身の人がいると教えてくれました。8月6日の広島平和記念日には「翼をください」をみんなで歌い黙祷をしました。丸く切った木の表にはアボリジニのマークとトンボ、裏には漢字を書いた飾りを作ったことも印象に残っていて、違う国の文化を受け入れる心の広さを肌で感じました。
今回の海外派遣で、リスニング力や自分から行動する力も身につきました。この貴重な体験を生かし、キャビンアテンダントという夢に向かって英語のコミュニケーション力を高めていきたいです。
●失敗を恐れず挑戦!未来へつなぐ成長の旅
大洲北中学校 川口由利愛(ゆりあ)さん
「この経験を必ず成長につなげる」――そう誓い、海外派遣に参加。初めての海外で不安もありましたが、仲間と励まし合いながら臨むうちに不安は少しずつ薄れ、期待が大きく膨らんでいきました。ホストファミリーはとても親切で温かなご夫婦でした。会話で分からない表現もありましたが、表情やジェスチャーで伝えてくれ、言葉が通じたときにはコミュニケーションの楽しさを強く感じました。学校の授業はすべて英語で大変だったけど、先生やバディが優しくサポートしてくれました。バディに日本のことを教えてほしいと、知っている英語と身振りで伝えると、みんなが笑顔で聞いてくれて嬉しかったです。
12日間で感じたのは、国籍や外見が違っても思いやる心や伝えたい気持ちは共通しているということです。今回の派遣を通して「失敗を恐れず挑戦する勇気」を学びました。この経験を生かし、もっと多くの人と関わり、英語力を高めていきたいです。そして支えてくれた人達への感謝を忘れず、前向きに成長していきたいです。

