- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県飯塚市
- 広報紙名 : 広報いいづか 令和7年12月号
●地域の救急体制維持のため病院救急車を活用した患者搬送について
飯塚市立病院 救急業務室
主任救急救命士 仲本(なかもと) 徹男(てつお)
2016年に厚生労働省より、「転院搬送における救急車の適正利用の推進」に関する通達が発出され、第8次医療計画においても病院救急車の活用は重要課題とされています。飯塚地区における2024年度の救急車出動件数は10,695件であり、2020年度から13%増加しています。救急車が1日に約30件出動していることになり、救急車の現場到着時間の遅延や、救命率の低下が懸念されています。
こうした状況を踏まえ、当院では2023年9月より病院救急車の運用を開始し、当院からより高次の医療機関へ患者様を転送する「転院搬送」や、高齢者施設や他の医療機関から、当院への受診が必要な患者様をお迎えする「お迎え搬送」を行っています。
病院救急車も消防機関の救急車と同様に救急救命士が同乗し、患者様の意識状態、脈拍、血圧、体温、呼吸を調べるバイタル測定を行っています。機能面においても消防機関の救急車と同程度の医療設備を備えており、患者様の容体の急変にも迅速な対応が可能です。
当院の病院救急車は始動して2年が経過しました。「お迎え搬送」の出動件数は増加傾向にあり、これまでのところ前年度の1.5倍程度のペースで推移しています。高齢者施設や医療機関からのニーズは、今後ますます高くなると考えられることから、現在の平日のみの運用を、土日祝日や夜間を含め365日出動できる体制に整えていこうと考えています。
このような病院救急車の活動は、消防救急車の出動抑制や救急隊の過度な負担の軽減にも繋がる施策であり、地域の救急体制にわずかながら貢献できていると考えています。患者様のため、地域の救急体制を守ることを使命に、病院救急車の活動をより一層強化してまいります。
