くらし 為末(ためすえ)大(だい)inだざいふ

11月22日(土)に世界陸上銅メダリストにして400mハードル日本記録保持者である為末大さんをお招きし、日本経済大学陸上競技場で市内中学生の陸上教室、同大学KOROKAN4階大講義室で全世代に向けたトークショーを開催しました!

《profile》
1978年広島県生まれ。
スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400mハードルの日本記録保持者(2025年12月現在)。
現在はスポーツ事業を行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論』を通じて、人間の熟達について探求する。主な著作は『WinningAlone』『諦める力』など。

■陸上競技は物体移動。

中学生の心の中にはいろいろ答えがあるけれど、為末さんの答えは「物体移動」。その名のとおり物を動かすか、身体を動かすかの世界。いかに自分に合ったやり方で物体移動を行うか探求を続けた為末さんの姿勢が垣間見える陸上教室では、子どもたちも思わず笑顔になるユニークな練習が盛りだくさん。ストレッチから始まり、スキップやジャンプ、30mダッシュに、腕を使わず起き上がりダッシュ、最後はハードル走まで経験しました。為末さんのわかりやすくゲーム感覚で楽しめる練習の中には、「走」の基礎となる地面の蹴り方、足の運び、手の振りなど、専門的かつ実践できる技術がちりばめられており、そこから学ぶ中学生たちの笑顔の中には、陸上や練習の「楽しさ」だけではなく、成長した「自分の陸上技術」を感じている姿が見られました。
参加してくれた中学生からは、「わかっていなかったことを学べた」「自分の走りの違いを感じた」「基本的なことと思っていたのに新しい学びがあった」とたくさんの感想が寄せられました。

■トークショー トークショーでも為末さんへの質問は尽きず!
Q:座右の銘は?
A:これを知るものはこれを好むものに如かず(孔子)

Q:為末さんにとって陸上とは?
A:自分の土台。これからは還元していくもの

Q:大会前日コンディションを整えるためにやることは?
A:勝負を決めるのはこれまでのコンディショニングやキーピング。それを崩さず本番で力を発揮できるよう前日は特別なことをするのではなく、普段どおりの自分で。

Q:緊張を抑える方法は?
A:緊張するしかない

Q:スタートダッシュで心がけていること
A:イメージや感覚を大切に。つっかえ棒が外れるような…

Q:オリンピックの舞台で一番に思ったこと
A:国によって違うが、やはり緊張し飲まれてしまう。すり鉢の中の蟻みたいにちっぽけに…

為末さんは陸上競技や試合に向き合っていくうえでの心構えなどの多くの質問に対して、「自分で楽しさを見出す大切さ」「シミュレーション・イメージトレーニングがしっかりできていれば当日は2回目同じことをやるだけ」「緊張に打ち勝つために必要なのは内から出る自信」「雑念を払うための自分ルール」など、これまで培ってきた経験や変わらぬ思いを込めて答えてくれました。

■「諦めない」ではなく「諦める力」。
「諦める力」とは、何かを途中で断念するのではなく、物事への執着や偏見を捨て、冷静な目で見ることにより自分の中にある異なる道」「別の方法」を見出すこと。トークショーでは、令和の都だざいふ応援大使の高田課長を司会に、為末さんの「諦める力」への思いから、陸上選手としての人生、生きる上での考え方まで広く講演いただきました。
…もし、陸上選手になっていなかったら、新聞記者や物を書くお仕事を選んでいたそうですよ。