くらし (特集)動物と共生するために、今できること(3)

■野良猫から地域猫へ
人と猫の幸せを目指して

住宅街や公園などで見かける飼い主のいない猫たち。フン尿被害や鳴き声、繁殖によるトラブルがある中、人の住環境を守りながら、猫たちの命を守る取り組み「地域猫活動」を紹介します。

▼地域猫活動を通して人も猫も共生できる社会へ
国や自治体が推奨する「地域猫活動」とは、飼い主のいない野良猫に不妊去勢手術を施して一代限りの命として、地域で世話をしながら見守る取り組みです。手術を受けた猫は、耳にV字カットを入れて識別しています。
この活動は、かわいがる目的で〝エサをあげるだけ〞の行為とは一線を画しています。世話をする「動物福祉」と、フンの片づけや繁殖を防ぐことによる「地域環境改善」の両立を目指したものです。
地域猫活動を進めるためには、行政・ボランティア・住民の協力が欠かせません。猫が好きな人も、苦手な人も、互いに理解し合いながら共生できる地域づくりを目指しましょう。

◇V字カットの耳
V字カットされた耳は、不妊去勢手術を受けた「印」。地域の人たちに見守られながら暮らしている猫の証しです。
◎不妊去勢手術済みの印だよ

◇地域猫ボランティアの腕章
この腕章は、地域猫活動を行う「地域猫ボランティア」の目印。マナーを守りながら、エサやりや清掃活動をしています。

▼動物への虐待は犯罪です!
動物愛護法が改正されて罰則が強化されました。「殺傷」は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、「遺棄・虐待」は1年以下の懲役または100万円以下の拘禁刑です。動物も私たちと同じ命。思いやりのある行動を心がけましょう。

▼地域猫活動に参加したいときは
地域猫活動は、地域住民が協力して行うボランティア活動です。エサやりやフンの片づけ、捕獲や送迎など自分ができることをお互い協力し合いながら行っています。町では、不妊去勢手術などの一部を補助しています。関心のある人は問い合わせを。

問合せ:生活安全課生活環境係
【電話】092-935-1136【FAX】092-935-2694

▼ペットフードロスボックス
賞味期限が切れてしまったり、飼い猫が好まず食べ残してしまったりしたフードはありませんか?皆さんから提供いただいたフードは、地域猫活動の現場で大切に活用しています。各地域の公民館などにある「ペットフードロスボックス」までお持ちください。

▼地域猫活動ではこんなことをします
◇フン尿への対応
地域猫のトイレは、ボランティアの方々が自宅敷地内に設置しています。また、フン尿被害を減らすため、道などに落ちているフンの片づけも行っています。尿をかけられた場所には水を流し、臭いを薄めることでトラブルを防いでいます。地域の皆さんも、気付いたときはフン尿の処理に協力ください。

◇エサやり
エサをあげて猫のおなかを満たすことで、ゴミをあさることや、人家に寄りつくことが少なくなります。活動では、他の動物が寄りつかないよう、食べ残しの片づけ、周囲の清掃も欠かしません。エサ代の多くは、ボランティアが自費でまかなっています。「ペットフードロスボックス」に寄付するなど地域の皆さんの協力もお願いします。

◇不妊去勢手術
猫がこれ以上増えないように、飼い主のいない猫に不妊去勢手術を行うのは、大切な活動の一つです。去勢によってオスの縄張り意識が弱まり、けんかや鳴き声が減少。マーキング行動も少なくなり、地域の環境改善につながります。町でも捕獲器を貸し出していますので活用ください。

◇火葬・埋葬
地域猫が亡くなった後の対応も、地域猫活動の大切な一環。火葬し、動物霊園へ埋葬するなど、最期まで責任を持ってきちんと世話をしています。火葬場に連れて行く際、車の運転が難しい場合は運転ができる人にお願いするなど、ボランティア同士が支え合いながら活動を続けています。

▼猫除けセンサー貸し出し
家の敷地内に侵入する猫によるフン尿被害などを軽減するため、町では猫が苦手とする超音波を発生させて寄りつきにくくする「猫除けセンサー」を、無償で最長20日間貸し出しています。試してみたい、効果が気になるという人は、設置を検討してみませんか。

問合せ:生活安全課生活環境係
【電話】092-935-1136【FAX】092-935-2694