健康 子どもから大人への健康づくりPR“健診”を語ろうー対談ー

■中学生×医師 松尾讃音(まつおささね)×吉田哲郎(よしだてつろう)
病院の検査が怖かった経験のある中学生と、おんが病院の副院長が、健診をテーマに対談!健診の受診率が伸び悩んでいる水巻町の現状について2人が思うことは…

▽吉田哲郎
遠賀中間医師会おんが病院副院長兼循環器内科部長。日本高血圧学会・日本内科学会・日本循環器学会などに所属。専門医・指導医・医学博士の資格を持ち、全国各地で講演活動も行っている。

▽松尾讃音
水巻南中学校2年生(取材時は1年生)。昨年、町民を対象とした健診未受診者が受診するアイデア募集に応募し、特別賞を受賞する。

■健診の受診を促すためのアイデアを募集しました
「健診未受診者が受診するアイデア募集」で、水巻南中学校1年(当時)の松尾讃音さんが特別賞を受賞しました。この募集は、町の特定健診の受診率向上を目指し、『どうすれば健診をうけるのか?』について、皆さんの自由で画期的なアイデアを事業の参考にすることを目的に、「水巻町民の健康づくり推進協議会」が実施したものです。
募集した結果、たくさんの応募が集まりました。皆さん、ありがとうございました。アイデアの一部を紹介します。
・健診受診後にプレゼントをもらえるなどのお得感がある
・健診場所や予約方法をより便利にする
・町からの案内方法を工夫する
今回の特集では、「子どもから大人へ、健康づくりの発信をしていく」というアイデアをくれた松尾さんを招き、吉田先生との対談をお願いしました。今号の表紙は、松尾さんのアイデアを生かして、伊左座小学校の児童(保健委員の皆さん)に書いてもらった健康づくりを発信するメッセージと、そのときの様子を撮影したものです。

■応募したきっかけ
吉田:特別賞の受賞おめでとうございます。水巻町では、皆さんの健康のために様々な取り組みを行っているそうですが、健診受診率がなかなか伸びないことが悩みだと聞いています。私も病院で仕事をする中で、患者さんに健診を受けることを勧めています。まずは、健診未受診者が受診するアイデア募集に応募してくれたきっかけはどんなことだったのかな?
松尾:私が生まれる前のことですが、家族が重い病気になりました。治療によって幸い良くはなったけど、見つかった時には結構病気が進んでしまっていたそうです。その時の、もう少し早く分かっていたらという思いから、今では毎年健診を受けているそうです。その話をよく聞いていたので、今回思い切って応募しました。
吉田:日頃から、健診については感じていることがあるんだね。それを大人に伝えてみようと思ってくれてありがとう。とても素晴らしい考えですね。
松尾:最初は自分の考えは合っているのか不安だったけど、今は嬉しく感じます。

■健診って大事?
吉田:健診は、受けている人はずっと受けているけど、受けていない人は全くというパターンが多いんだ。実際に水巻町の特定健診受診率は半数以下で、およそ38%と県内でも低いことが分かっているんだよ。健診を受けていないのにはどういった理由があると思う?
松尾:検査で悪いところが見つかるのが怖いというのも受けない理由の一つだと思います。私は幼い時に目の手術を経験しました。たくさんの検査の度に、結果が出るまでドキドキして怖かったのを今でも覚えています。
吉田:自身の経験から検査が不安だった思いもあるけれど、病気の早期発見・早期治療の大切さも感じているんだね。特に糖尿病や高血圧といった生活習慣病は自覚症状が出にくいのが特徴だから、毎年定期的に健診を受けることが大事なんだ。

■健康づくりに大切なこと
吉田:水巻町の健診を受けてくれた人の結果を見ると、他の市町村と比べて、糖尿病が多いことが分かったんだ。糖尿病は、身体の中の糖分が多くなる病気で他の病気にもつながりやすい厄介な病気なんだ。食事のカロリーが多すぎたり、ファストフードや夜間の食事も原因になるかな。
松尾:市町村によって健診の結果に違いや特徴があることに驚きました。もっと健康づくりに大切なこと病気について知ってもらい、その解決策を考えることも大事だと思います。
吉田:10代では生活習慣病もリスクは少ないけど、早い人で20歳代や30歳代から増えてくるんだ。最近は、コロナウイルスの流行をきっかけに、健診を受けなくなってしまったり、病気になったことにも気が付いていない人が多く、糖尿病や高血圧も増えていて危機感を覚えているんだよね。どうすれば予防できると思う?
松尾:好きな食べ物が簡単に手に入るようになった分、食事面は気を付けないといけないと思っています。小学校の保健の授業でも食べ物の糖分の量を学習しました。生活習慣病は大人になってかかりやすいけれど、学校で学んだことを思い出しながら生活したり、新たなことを学んでいくことも大切だと思います。

「健康への第一歩。」
今回の企画で、「いつまでも健康でいてほしい」という子どもたちのメッセージが届きましたでしょうか。まずは大人がしっかりと健診を受け、病気の早期発見・早期治療や日頃からの健康づくりが大切だということを、子どもたち若い世代に伝えていくことが健康的なまちへの第一歩ともいえます。
令和7年度もぜひ特定健診・がん検診を受診しましょう。案内の詳細は、水巻町ホームページまたは5月10日号折り込みチラシ(赤色)を確認してください。

問合せ:いきいきほーる健康課