文化 ふるさと再発見 広川町郷土史研究会

■広川町にある巨樹・珍樹 その18
○町の木に選ばれたイチョウ
近年、有名になっている太原区内のイチョウをはじめ、晩秋になると町内の随所(ずいしょ)に、黄葉が見事に輝きます。
昭和58年9月16日、工業団地開発に伴う広川球場整備を期に、町の木・町の花が公募され、イチョウが町の木に制定されました。

○逆瀬谷天満宮境内のイチョウ
当該樹が町内では法量的には、最も大きいのではないかと見ています。
幹周 2.42メートル
樹高 約35メートル
推定樹齢 約200年
同時期に植栽されたであろう、すぐ側に聳(そび)えるイチョウの法量は、
幹周 2.00メートル
樹高 約25メートル
を測ります。
天満宮の石段を登って、社殿に向かうと、晩秋には落葉が一面に敷き詰められ、それを踏んで歩くと、イチョウの種子が割れる音がパチッパチッと鳴ります。この種子の外種皮(がいしゅひ)は、黄色で悪臭があることから、最近では拾う人も多くはないでしょう。外種皮がとれた中の核がいわゆる銀杏(ぎんなん)で、秋にはなくてはならない自然からの恵(めぐ)みでした。環境問題も絡(から)んで昔のように、川でカマギ(藁(わら)で編んだ俵(たわら))に入れて踏み洗いすることが難しくなり、銀杏を拾う人が少なくなった一因かと考えます。
イチョウ(和名)は、中国語に由来する鴨脚(かもあし)(葉が鴨脚に似る)の音訓(おんよ)みと聞きます。
公孫樹(こうそんじゅ)という別称もあり、これはイチョウの漢名(かんめい)です。ある程度の老木にならないと実が着かず、植えた人の孫の代に実るということによります。
イチョウは雌雄異株(しゆういかぶ)で、後の管理も考え植栽する場所を選定されるようです。
春は新緑、夏は深緑、秋は黄葉し、四季の変化に富み、躍進(やくしん)する広川町のシンボルになる。
このことが町の木に制定された、大きな理由でもあります。

■広川町古墳資料館だより
古代の土器を観察していると、土器の底を指でおさえた痕跡(こんせき)や表面に指紋が残っていることがあります。
指紋は縄文時代の土器にも見られ、違う土器が同じ作り手で製作されていたり、作る過程での手の向きなどの情報が得られます。
考古(こうこ)資料に残された指紋の種類から日本人の成り立ちを探る試みもなされています。