くらし 【町で初の栄誉】町消防団長の永田さんに藍綬褒章

今年の春の褒章で、町消防団長の永田忠則(ながたただのり)さん(70)が「藍綬(らんじゅ)褒章」を受けました。消防分野での藍綬褒章の受章は、町で初めて。5月28日に東京で開かれた伝達式では、同分野で受章した全国109人を代表して章記を受ける大役も務め、「香春町への愛が受章につながり、うれしい。今後も地域に貢献していきたい」と意欲を新たにしています。

■祖父から3代「安心」に貢献
永田さんは生まれも育ちも香春町で、勾金小、香春中に通いました。消防団に入ったのは28歳のとき。団員だった父・正則(まさのり)さんから「世代交代」を持ちかけられたのがきっかけです。
祖父・市之助(いちのすけ)さんも警防団員で、消防活動は身近な存在。夜中でも出動する父の背中を見て育ち、「みんなのために頑張っていて、かっこいい」と思っていたそうです。迷いなく、父の話を受け入れました。

■「みんなを守る!」その一心で
消防団での活動は42年に及びます。入団当時に起きた田川高体育館での火災では、燃えさかる炎にホースの筒先を向け続けました。「怖さは感じなかった。『早く消さないかん』という使命感でいっぱいだった」と振り返ります。
部長を務めていた平成6年に起きたごみ処理場の火災は、強風にあおられて2日間、燃え続けたものの、団員が力を合わせて消火に努め、負傷者を出すことなく鎮火しました。豪雨の際、住民の避難誘導や土のう積みなどに奔走したほか、雪が積もる採銅所の山中で行方不明者の捜索にあたったこともあります。
畜産や園芸、廃棄物運搬業を営んだり、営業職として会社勤めをしたりと忙しい中でも、消防団の活動に尽くした永田さん。「職業も年代も違う人と親しくなれる」と笑顔を見せ、「町が好きで、人と接することが好きな人には向いていると思う」と語ります。

■「おまもり隊長」も!
70歳を迎えた年度で引退となるため、永田さんは来年3月に活動から退く予定です。
一方、今年、地元で発足した勾金地域コミュニティ協議会では、「おまもり隊」の隊長に就任。消防団を離れた後も、地域のために引き続き尽力する考えです。
「香春町を愛しています」と言い切る永田さん。これからも、にこやかに、町民の笑顔を守っていきます。

■伝達式に行ってきました!
5月の伝達式は、東京・霞が関の総務省が入る合同庁舎内の講堂で開催。永田さんは、全国の受章者を代表して、冨樫博之(とがしひろゆき)総務副大臣から章記を受け取りました。

■〔団員募集〕一緒にまちを守ろう!
消防活動は田川地区消防本部の消防士らも担いますが、「地域の事情に通じた消防団員は、現場で頼れる、なくてはならない存在」と、同消防本部OBの神﨑久登(こうざきひさと)町防災管理官は話します。
ただ、香春町消防団の団員数は、定員(200人)割れが続いており、随時新しい仲間を募集しています。8月24日(日)の夏季錬成訓練は、見学も可能です。ぜひ、気軽にお問い合わせください。
入団資格:
(1)町内の居住・勤務者
(2)18歳以上
(3)心身が健康で業務に耐えられること
▽香春町消防団の団員数

▽町消防団の出動件数

※平成31年を含む
火災以外でも町民の安全を守っています

問合せ:総務課 庶務係
【電話】32-2511