- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県添田町
- 広報紙名 : 広報そえだ 令和7年11月号
校舎が新しくなって半年、添田中学校の今をお伝えします
木の温もりあふれる新校舎の運用が始まって半年。添田中学校では、町が目指す「ふるさと添田を愛し、夢希望を実現する人間性豊かな心を持つ子ども」の育成を目指して、小学校と連携しながら、義務教育9年間の系統的な教育活動を進めています。今月は中学校での取組事例を長畑理恵校長が紹介します。
■意欲的に学び、共に高め合う、粘り強い生徒の育成
添田中学校では町の目指す子ども像にある「夢希望を実現する」に着目し、教育目標を「意欲的に学び、共に高め合う、粘り強い生徒の育成」としました。「未来を担う生徒の育成のために」を合言葉に、日々心に響く教育の実践を心がけることで、生徒が希望を持って登校し、満足して下校できる学校づくりを教職員一丸となって行っています。この教職員のチーム力が自分の未来を自らの手で切り拓いていける、たくましい生徒の育成につながると考えています。
■新天地 〜新たな自分を見つけよう〜
生徒たちは今年度の生徒会スローガンを「新天地〜新たな自分を見つけよう〜」と決めました。新校舎での生活に夢や希望を抱き、意欲的に学校生活に臨んでいます。生徒たちが満足できる理想の学校生活が送れるよう、教職員はリード・後押し・伴走など生徒個人に必要な対応で応援していきます。
■学びの基礎を固め思考し表現する力を伸ばす教育
基礎学力の定着のきっかけとして、昨年度から漢字や英単でなく、社会科や理科に関する学習コンクールを取り入れています。まだまだ、取り組み始めたばかりですが、コンクール準備期間には、生徒たちが同じ目標に向かって何度も何度も繰り返す粘り強い様子を目にすることができました。
また、新しい取り組みの一つとして今年度から到達度テスト前、部活動が休止になる放課後を利用して自主学習時間「添学(そえがく)タイム」を設けています。参加は自由ですが、10月の添学タイムでは約半数の生徒が参加しました。学習はわからない問題を友達に教えてもらったり、一緒に考えたりする「教え合いコース」と、自分のペースで黙々と学習をする「もくもくコース」の2種類を用意。自分でコースを選択、自分の学習の仕方を確立し、基礎学力を定着させ、学び方を発見し、活用能力をつけることを目指しています。
各教科の授業では、定着した基礎学力を利用して思考力・判断力・表現力を育成するような授業の工夫を行っています。特に自分の意見と友達の意見を交流し、考えを深めたり広げたりする学び合いの場を大切にしています。
■「見える学力」を支える「見えない学力」の更なる育成
添田小学校では数値として目に見える学力の向上とあわせて、数値化が困難で目には見えなくても学力の向上に重要な要素となる、学ぶ意欲や仲間と協力して問題を解決する力など、いわゆる「非認知能力」の育成を推進しています。中学校でも、添田町だからできる、さまざまな体験活動を通して小学校で身に付けてきた「非認知能力」を引き続き大切にしています。学力の定着のみならず、自分の将来や進路、生き方を考えるときに、ますます非認知能力が必要になると考えているからです。
具体的には自然を含む本物に触れる「体験活動」や「読書活動」に取り組んでいます。これらに加え、将来社会を生き抜くために重要な意思決定や対人関係の構築、ストレスへの対処など「ライフスキル」の向上にもつながる生徒会などの「自治活動」や「部活動」にも積極的に取り組んでいます。部活動では、3年生最後の大会となった夏の大会では各部有終の美を飾りました。
◆新校舎で育む思いやりと広がる可能性
添田中学校 長畑理恵 校長
4月から新校舎に移り、半年が経過しました。中学校は小学校と違い統廃合ではなく移転ですが、環境は今までと大きく変化し、最大9歳年齢が離れた子どもが一つの校舎で学校生活を送っています。校舎移転後は生徒たちの表情が明るくなり、体調不良を訴える生徒も減ったように感じます。きれいな校舎を後輩たちに引き継ごうと掃除も一層頑張って行ってくれています。また、登校時などで小学生、特に低学年の児童を優しく気遣う姿を見ることができ、今までの学校生活ではなかなか見つけることが難しかった一面を見せてくれる生徒が多いことに驚いています。座学では教えることが難しい、他者への思いやりを育み人間性を豊かにする情操教育が学校生活の中で自然に行われ、小中学校が同じ校舎にあるメリットを日々感じています。今年は試験的に行った小中学生の連携事業などを来年度に向けブラッシュアップし、児童・生徒の可能性をさらに引き出すことができる教育環境を教職員全員で整えていきます。今後とも、ご支援・ご協力のほど、お願いいたします。
◆自然や歴史・文化を学ぶ「体験活動」
▽1年生
英彦山青年の家周辺が、ここ数年の自然災害により荒れていることから11月に保全活動を行います。青年の家正面の「英彦山」へ続く道に散乱する杉の枝の収集や落葉処理など「ふるさと添田」のために頑張ります!
▽2年生
芸術文化体験の一つで、本物に触れる体験活動として、プロの「箏」と「尺八」の奏者をゲストティーチャーとして招き、生の演奏を聴いた後、実際に箏や尺八の演奏を行いました。
▽3年生
添田町を飛び出して、九州国立博物館に行き、旧石器時代から江戸時代後期までの日本文化の形成過程を学んできます。近くの太宰府周辺の散策も予定しています。
◆小学生や異学年との「交流授業」
▽生徒会による学習支援
小中交流事業として1学期は中学校生徒会役員が小学2年生の朝の計算時間に採点・計算指導を行いました。合唱コンクールの校内リハーサルを小学生が見学するなどの交流も進んでいます。
▽合唱コンクール
10月10日、オークホールで合唱コンクールを開催しました。学級合唱に加え、異学年交流のブロック合唱、全校合唱などを仲間に、保護者に対して一生懸命歌いました。1年生にとっては体育会以来となる上級生との交流。ブロック練習で下級生を引っ張る3年生の姿に憧れを抱き、合唱の完成度に感動し、「自分たちもあんなふうに歌いたい」と意欲を高めていました。
問合せ:教育委員会学校教育課学校教育係
【電話】82-5963
