- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県多久市
- 広報紙名 : 市報たく 令和8年1月号
ー皇(おおやけの)塔(とう)ー [多久市史跡]
南多久町大字下多久五五八九番地
桐野山妙覚寺(きりのざんみょうかくじ)は、天平(てんぴょう)年中(729~749)に僧行基(ぎょうき)によって創建されたと伝えられます。妙覚寺が所在する桐野山東の麓(ふもと)に大小数十基の五輪塔(ごりんとう)群があり、そのうち3基の大きな五輪塔が皇塔と呼ばれています。多久家由緒書(ゆいしょがき)の中に「此(この)地、聖武(しょうむ)、桓武(かんむ)、平城(へいぜい)の三帝(天皇)の勅願寺(ちょくがんじ)、故に山内に三帝の御石塔あり、又、此所の山名を皇塔と唱(とな)える」とあり、また妙覚寺の伝承によると、開山行基が同寺で国家昇平(しょうへい)を祈祷(きとう)したので、勅命(ちょくめい)により堂宇(どうう)が建立され、関係の聖武、桓武、平城の三天皇が祭祀されたといいます。
五輪塔は、供養塔や墓石として平安末から鎌倉時代に国内に広まったもので、起源は仏教教義における世界を「空・風・火・水・地」が構成するという五大(ごだい)(五輪)の思想から、五大を表す形状に造られた石材が積み上げられています。皇塔は鎌倉末~室町時代初期の形態がみられ、市内の石造物の中でも古いものの一つです。妙覚寺の歴史の古さを示す石造物群として、昭和55年に史跡指定されています。
(教育振興課)
