文化 郷土の文化財

■遺跡余話〜伊万里の地名がついた石器技法〜

皆さんは、大きな鯛を一匹丸ごともらったらどうしますか。最初からウロコ取りや三枚おろしをするよりも、あらかじめ下処理されている方が簡単で便利ですよね。実は、石器作りにもこれとよく似たことがあります。
ナイフや矢じりなどの石器を作るには、まず元になる『石刃(せきじん)(ブレイド)』が必要です。その石刃を作り出すには、黒曜石などの原石を打ち割って、石刃を効率よく、また、数多く作り出すことができる形(石核)に整える高度な技術が必要です。
腰岳の中腹にある『鈴桶(すずおけ)』地区の鈴桶遺跡(縄文時代)からは、この石器の元になる縦長の石刃が大量に見つかっています。ここで使われていた石刃製作の技術は、効率性も完成度も高く、優れていることから『鈴桶型石刃技法』と呼ばれています。
この縦長の石刃は、加工がしやすく、ナイフや矢じりなどを簡単に作ることができたため、この地域だけでなく、福岡や熊本にも広く流通していました。原石の状態から石器を作り上げるよりも、自分が作りたい形に加工しやすい石刃を手に入れる方が、当時の人たちにとっては便利だったのでしょう。
伊万里の地名がついた技法があるなんて、とても誇らしく感じますね。

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